中国の携帯端末メーカーに注目すべきもう1つの理由としては、インドやアフリカ、東南アジアなど、中国よりも西側の市場に進出する上で、これらの中国メーカーが重要な鍵を握っている点が挙げられる。
モバイル機器向けのプラットフォームを手掛ける中国のSpreadtrum Communicationsは、中国以外の世界市場を対象に、包括的かつ綿密な販売戦略を立て、いくつかの手法を展開している。1つ目が、上海や深センの設計メーカーと直接提携していることだ。これらの設計メーカーは、インドの大手携帯端末メーカーであるMicromaxなどに製品を販売している(SpreadtrumがMicromaxに出資しているという点も重要視すべきである)。
2つ目として、Spreadtrumは、携帯端末メーカーと設計メーカーとの間を取り持つ、いわゆる“仲介役”のような役割も積極的に担っている。
3つ目は、Samsung Electronicsのように、中国以外の新興国にも展開を広げている携帯端末メーカーのデザインウィンを獲得することだ。Spreadtrumのベースバンドチップは、2012年秋にSamsungのデザインウィンを獲得した。Spreadtrumは、40nmプロセスを適用した2.5G対応ベースバンドチップ「SC6530」を、Samsungの携帯電話機「E1282」「E1263」向けに提供している。
SpreadtrumのCEO(最高経営責任者)を務めるLeo Li氏は、「アフリカでは、現地で大きな影響力を持つフランスの通信事業者Orangeと協業している。アフリカ市場のニーズを把握するOrangeと密接に連携することで、Orangeの認証を得たチップセットを提供できる」と述べる。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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