Googleは2013年7月に米国でプレスイベントを開催、Android 4.3の他、新型「Nexus 7」、モバイル機器からテレビに映像をストリーミングするための「Chromecast」などを発表した。成長が著しいタブレット端末市場を最重要視するGoogleは、今後もタブレット端末関連の技術開発に多大な投資を行っていくとしている。
GoogleのSundar Pichai氏に、Appleのデザイン哲学を説くSteve Jobs氏の姿が重なったように思えた。
AndroidとChromeの両方を担当するGoogleの重役であるPichai氏は、「ユーザーはマルチスクリーンの時代を生きている。だからこそ当社は、AndroidとChromeという2つのプラットフォームに投資することで、完璧で矛盾のない、かつ美しいユーザー体験を提供することを目標にしている」と述べた。
かつてJobs氏も、Mac OSとiOSを用いて同じような方針を定めていた。Pichai氏は、Googleの製品がApple製やMicrosoft製を含むOS全般に対応するようになると述べている。
Pichai氏は2013年7月24日に米国カリフォルニア州サンフランシスコで行われたプレス向けイベントで、Googleがその目標に向けて小さな一歩を踏み出したことを発表した。その一例として、Android 4.3とWebビデオ向けHDMIドングル「Chromecast」を搭載したアップグレード版のタブレット端末「Nexus 7」の開発が挙げられる。
新型のNexus 7は今回のイベントの目玉だった。Android 4.3が採用された初めてのモデルとなる。主な新機能として、Bluetooth 4.0とOpenGL ES 3.0をサポートしたことが挙げられる。同製品はQualcommのクアッドコアプロセッサ「Snapdragon S4 Pro」(動作周波数は1.5GHz)と、2GバイトのRAMを搭載していて、応答性が大幅に向上した。外形寸法は、第1世代品よりも薄く軽くなっている。
ディスプレイは既存製品と同様の7インチだが、解像度は1920×1200画素で、画素密度は323ppiになっている。1080pの映像にも対応する。既存品は、解像度が1280×800画素、画素密度が216ppiである。
新型タブレット端末は、12メガピクセルと5メガピクセルのフロントカメラ/リアカメラを備えていて、ヨーロッパの研究機関であるFraunhofer(フラウンホーファー)のサラウンドサウンド技術を採用したステレオオーディオを搭載する。
32GバイトでLTEモデムを搭載したハイエンドモデルの価格は329米ドルで、現行モデルよりもわずかに値上がりした。この価格帯と仕様から考えると、GoogleはNexusブランドで「iPad」や「iPhone」の上を行く高級路線を追及しているようだ。
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