東京エレクトロン デバイス(TED)は2014年6月、英国のマイコンメーカーであるXMOS(エックスモス)と販売代理店契約を締結し、子会社のパネトロンを通じ、XMOSのマルチコアマイコン「xCORE」の取り扱いを開始した。多数のモーターをリアルタイム制御できるなどのxCOREの特長を生かし、産業機器や車載機器市場での拡販を行っていく。
東京エレクトロン デバイス(TED)は2014年6月、英国のマイコンメーカーであるXMOS(エックスモス)と販売代理店契約を締結し、子会社のパネトロンを通じ、XMOSのマルチコアマイコン製品の取り扱いを開始した。独立した4〜16個のCPUコアで構成され、高いリアルタイム性能を持つXMOS社のマイコンをオーディオ機器をはじめ、産業機器、車載情報機器などへ提案し、2016年3月期に1億円以上のビジネス規模を目指す。
XMOSは、2005年に設立されたファブレスの新興半導体メーカーであり、マルチコアマイコン製品に特化した事業を展開する。2007年のマイコン製品の初出荷以来、地元欧州を中心に累計100万個以上のマイコンを出荷した実績を持つ。詳しい業績は開示していないが、2012年から2013年にかけて「2倍以上、売り上げ規模を拡大させるなど、急成長を遂げているマイコンメーカー」(TED)とする。
急成長を支えているのが、オーディオ機器での採用の広がりだ。オーディオ機器の中でも、PCなどの音源をUSB経由でアナログ音声データに変換する「USB-DAC」での採用数が多いという。日本のオーディオ機器メーカーでもソニーやJVCケンウッドのUSB-DACで、XMOSのマイコン「xCORE」が採用されているという。
USB-DACのデバイス構成は通常、システム制御用のマイコン、音声データ処理用のDSP、I/Oや信号処理用のFPGA、A/Dコンバータ、各種I/O専用ICなどで構成される。しかし、xCOREであれば、「これらの複数のデバイスの役割をxCORE1個で実現できるケースもある」(XMOS日本法人職務執行者の山本好充氏)という。
xCOREには、主に3つの特長がある。1つは、マイコンとしては一般的な32ビットのRISC CPUコア(XMOSは、ロジカルコアと呼ぶ)を4〜16個搭載し、いずれのコアも独立して動作するという点。2つ目は、リアルタイムOSを必要としない単純なソフトウェアプログラミングが行える点。そして3つ目が、GPIOやSPI、I2C、PWMなど各種I/Oをソフトウェアで自在に設定できるコンフィギュアラブルな「ハードウェア レスポンス ポート」だ。
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