パナソニックは、電気自動車(EV)ベンチャーのTesla Motors(テスラ)が米国で計画していた大規模リチウムイオン電池工場「ギガファクトリー」の建設に協力すると発表した。テスラは、工場の土地や建物、パナソニックが、リチウムイオン電池セルの生産設備に投資を行う。
パナソニックは2014年7月31日、電気自動車(EV)ベンチャーのTesla Motors(テスラ)が米国で計画していた大規模リチウムイオン電池工場「ギガファクトリー」の建設に協力すると発表した。
今回の合意により、テスラはギガファクトリーの土地、建物、工場設備を準備し、提供/管理する。パナソニックは、両社の同意の下で、18650サイズ(直径18×長さ65mm)の円筒形リチウムイオン電池セルをギガファクトリーで生産/供給し、リチウムイオン電池セルの生産に必要な設備、機械、およびその他の治工具などに投資する。ギガファクトリーで必要な材料の前駆体は、パートナーサプライヤで構成されるネットワーク内での生産を計画している。テスラは、電池セルや他の部品を用いて電池モジュールおよび電池パックを製造する。
テスラは、EVの需要拡大に対応するため、パナソニックが日本国内の工場で製造する電池セルを引き続き購入する。さらに今後両社は、ギガファクトリーの運営や投資などの詳細について引き続き協議を続けるという。なおパナソニックは、ギガファクトリーへの投資金を明らかにしていない。
テスラは2014年2月末にギガファクトリーの計画を発表(関連記事:テスラのリチウムイオン電池工場、単独で2013年の世界生産を超える規模に)。フル生産時の電池セルの年間生産規模が、2013年における世界全体のリチウムイオン電池セルの生産規模を上回る35GWhに達するなど、自動車業界とエレクトロニクス業界に衝撃を与えた。一方、総投資額の40億〜50億米ドルのうちテスラが約20億米ドルを調達するものの、残りの20億〜30億米ドルは「パートナー企業が負担することになる」(テスラ)としていた。その有力候補と見られていたのが、現在もリチウムイオン電池セルを供給しているパナソニックだ。
パナソニックはギガファクトリーへの投資には慎重な姿勢だったが、2014年5月にはギガファクトリーの建設に参加するための趣意書に署名したことを明らかにしていた(関連記事:パナソニックがテスラの巨大電池工場建設に参加、趣意書への署名を認める)。
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