2014年第3四半期のNAND型フラッシュメモリ市場は好調だ。前四半期比で最も成長したのは東芝で、売上高は23%増加している。一方、売上高でトップのSamsung Electronics(サムスン電子)は8%増で、シェアは3割を切った。
台湾の市場調査会社であるTrendForceによると、2014年第3四半期(7〜9月期)におけるeMMC、eMCP、SSDは、Appleの「iPhone 6」をはじめとする堅調な機器メーカーの需要に支えられ、平均よりも大きな成長を遂げた。
NAND型フラッシュメモリの価格は安定していて、同四半期における総売上高は85億8000万米ドル。前期比で12.2%の成長となった。第4四半期も新型iPhoneの売れ行きが好調とみられることから、NANDフラッシュ市場は成長を続ける見込みだ。
メーカー別売上高シェア(米国ドル換算)では、前四半期に比べ東芝が2.1ポイント上昇し22.6%のシェアを獲得。一方で、Samsung Electronics(サムスン電子)は1.1ポイント下げて、29.7%ととなり、3割の大台を割っている。
Samsung Electronics(サムスン電子)
Samsung Electronics(サムスン電子)のNANDフラッシュの出荷数は前四半期比で10%増加、売上高は8.2%増加している。第4四半期も好調となる見込みで、NANDフラッシュのビット成長率は前四半期比で10%に達するとみられる。2015年は3次元NANDフラッシュである「V-NAND」を採用したSSDがより成熟するだろう(関連記事:サムスンの3次元NAND、3ビット/セルの128G品が出荷間近)。
東芝
2014年第2四半期における東芝の業績は良好で、出荷数は25%増加した。平均価格の低下が緩和するにつれ、東芝の第3四半期におけるNANDフラッシュの売上高は23.7%成長し、利益はほぼ横ばいだった。15nmプロセスを採用したNANDフラッシュの生産量は今後も増加し、TLC(Triple Level Cell)を採用したNANDフラッシュの売上高も増える見込みだ。
SanDisk
売上高は25%増加した。SanDiskは、スマートフォンやタブレット端末向けのTLC eMMC/eMCPで成功している。一方で顧客はTLC SSDをテスト中だという。
Micron Technology
第3四半期のNANDフラッシュの出荷数は13%増加し、売上高は5.9%した(いずれも前期比)。製品開発では、16nmプロセスのTLC NANDフラッシュは現在、顧客がテスト中であり、それが終わり次第出荷される。TLC SSDについては2015年前半に開発が完了する見込みだ。
SK Hynix
第3四半期の売上高は21.7%となった。SK Hynixは企業向けSSDとクライアントSSDの両方に注力している。2015年前半に、TLCを採用したeMMC、eMCP、SSDの量産が始まるという。
Intel
企業向けSSDが好調で、第3四半期におけるNANDフラッシュの売上高は、前期比で10%成長し、5億5400万米ドルに達した。SATA対応の製品に加え、IntelはPCIeや、その他の高速インタフェースを備えた製品の開発を加速している。2015年前半には、16nmプロセスを用いたSSDを発表する見込みだ。
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