マイクロエレクトロニクス製造サプライチェーンの国際展示会「SEMICON Japan2014」が2014年12月3〜5日の3日間、開催される。38回目の今回は、25年ぶりに会場を都内(東京ビッグサイト)に戻し、IoTに関する特別展も初めて開催する。さまざまな変化がみられるSEMICON Japan2014について主催者に聞いた。
半導体デバイスなどマイクロエレクトロニクス製造サプライチェーンの国際展示会「SEMICON Japan2014」が2014年12月3〜5日の3日間、開催される。38回目となる今回のSEMICON Japanは、会場を幕張メッセから東京ビッグサイトに移し開催される。実に25年ぶりとなる都内開催で利便性も向上し、前回より約1万人多い3万5000人の来場者を見込む。
展示や講演内容も、さまざまなリニューアルも実施。従来の半導体製造装置/材料関連の内容に加え、IoT(モノのインターネット)を取り上げる特別展「World of IoT」を初めて開催する。「IoTは日本半導体産業の復活に向けた絶好のチャンス。SEMICON Japan2014を通じて、日本の半導体産業が大きく発展していこうとしている姿を示したい」と語るSEMICON Japan主催者であるSEMIジャパンの代表を務める中村修氏に、SEMICON Japan2014の見どころなどを聞いた。
EE Times Japan(以下、EETJ) 2014年7月のSEMIジャパン代表就任後、初のSEMICON Japanとなりました。SEMICON Japanに向けた意気込みをお聞かせください。
中村修氏 日立ハイテクノロジーズ在籍時から約20年間、SEMIの活動に参加し、ここ6年間は、SEMIの役員も務めてきたこともあり、SEMIの活動自体は理解している。ただ、SEMIジャパン代表として、SEMIの中に入っての活動は多少、異なる部分もある。これまでの自分の思いと、SEMIの思いをうまく合わせて、より良い活動を行っていければと思っている。
そうした中で、やはり工業会として、日本の半導体産業を元気にしたいという思いが強い。あまり“復活”という言葉は使いたくないのだが、世間的には日本の半導体産業は衰退傾向と思われているようなので、そういった評価を覆すためにも、あえて“日本の半導体産業を復活させたい”ということがSEMIジャパン代表として目指すところだ。
とはいえ、SEMI自体はモノ作りを行うわけではないので、日本の半導体産業の復活に結び付く“場”を作りたい。情報発信であったり、交流であったり、海外から有識者を招いたりという“場”を提供したい。もちろん、今回のSEMICON Japan2014もそうした“場”となるよう努力してきた。
EETJ 日本の半導体産業の現状はどのように見られていますか。
中村氏 日本の半導体産業は、デバイス製造、製造装置、材料と全ての面で、世界の先頭にあり、さらに磨きが掛かっているといえる。設備投資の規模でみれば、台湾や米国、韓国よりも見劣りするのは事実だが、チカラは十二分にある。
このことは、国/地域別の半導体生産能力をみても、はっきりしている。日本国内にある半導体生産能力は、8インチウエハー換算で月産400万枚以上に上る。これは、台湾や韓国よりも多く、世界最大の規模だ。加えて、台湾はファウンドリー、韓国はメモリに偏った生産能力だが、日本に関しては、偏りなく多様な生産能力を有しているという特長がある。
実は、この多様な生産能力が今後、本格的に普及し、市場拡大が予想されているIoTの時代に適した状況だといえる。IoTの到来は、日本の半導体産業にとってチャンスであり、明るい兆しなのだ。
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