メガチップスの成長戦略は、中国市場も明確に見据えている。
メガチップスが、台湾にある子会社を経由してModiotekの株式を多数、獲得したことは、中国でのビジネスを成功させるための重要な一歩だ。「われわれは100人の部隊を獲得しつつあり、その大半がソフトウエアとアルゴリズムに強く、フィールドアプリケーション技術者としても働いた技術者やチップ設計者だ。XiaomiやLenovoあるいはFoxconnのような中国の顧客と協業したいと考えているので、中国語で顧客と折衝し、支援することのできる自社要員が必要だ」(高田氏)。
frizzについても、メガチップスは、1年半以上前からエンジニアリングサンプルを用意し、中国のスマートフォンベンダーや通信事業者あるいは地図製作会社などと組んでチップ試験を行い、アプリケーションを開拓してきた。
メガチップスは、匿名に甘んじ、顧客の設計部隊の影に隠れてきた。この点は劇的に変化しようとしている。
メガチップスは、顧客にチップからシステム、サービスまでを含む本物のターンキーソリューションを提供できるよう、IDMとしての視点を持って、センサーハブ市場に参入する構えなのである。
メガチップスの戦略は、台湾MediaTekのシナリオと大きくは違わない。MediaTekが2000年代初期に、まだ未熟だった中国の民生機器メーカーにDVDプレーヤ事業への参入を根気強く推進したのは、MediaTekの長期視点に基づくものだった。同社は、中国の偽造DVDからの劣化したビデオ信号を補正するLSIを開発している。MediaTekは、市場と顧客、さらには用途を熟知していたのである。
日本の隠れた半導体優良企業「メガチップス」(前編)
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