研究グループは、「今回開発した技術によって、センチメートル単位の精度を実現できる。このため、自動運転車を研究しているGoogleなど他のメーカーが使っている高価な3次元レーザースキャナ技術と比べて、最大で1万米ドルのコスト削減が可能になる」と主張する。鍵となっているのは、自動運転車向けにリアルタイムでマップを作成していることだ。マップは、自動車のシステムに保存されている3Dマップ、あるいはセルラーネットワークで配信される3Dマップを、毎秒数千回で比較する必要がある。
アルゴリズムによって作成した3Dマップと、単眼カメラから送られてくるリアルタイム画像とを比較することによって、自動運転が実現する。最大の技術的課題となったのは、市販のGPUを使ってリアルタイムにデータを処理することだった。このGPUには、リアルタイムの画像ストリームとの比較を行える十分な性能が求められる。
研究チームは、ミシガン州アナーバー(Ann Arbor)市で、試運転に成功している。この時は、不測の事態が発生しないよう、ドライバーが即座に運転を引き継げるようにハンドルを握った状態で試乗したという。
最近では、ドライバーがいなくても自動運転車の試験を市内で実施できるようにするために、専用の小規模な試験施設を建設しているところだ。最終的には、自動車がどこでも走行できるよう、地図情報を全く使わなくて済むようにしたい考えだという。
Eustice氏は、「今後も、自動運転に関してあらゆる側面から研究を続けていきたい。最終的には、人間の運転レベルを超えたいと考えている」と述べる。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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