下記は、直交バックスキャタリング技術を実現する送信機回路だ。親機が送信する搬送波を使うことで高周波の周波数シンセサイザを排除する。直交変調器(QMOD)は、RF搬送波と、中間周波数(IF)で動作するミキサ(IF Mixer)が生成する変調信号(I/Q信号)を乗算することで周波数変換し、5.8GHz帯の多値変調信号を実現する。
今回の新技術により、無線送信機において低消費電力と多値変調を両立できることが実証された。同研究グループは、ワイヤレスセンサネットワークの大容量化・低価格化・端末小型化につながる技術だとしている。
あらゆる機器にセンサーが搭載され、それらがネットワークにつながるモノのインターネット(IoT)の活用が本格的に始まりつつある。その際、消費電力とともに課題となってくるのが、電波資源だ。多数のセンサー端末が無線通信を行えば、トラフィックが大幅に増加し、電波の枯渇が深刻になる。そのため、いかに周波数効率の高い変調方式を実現するかが鍵になっている。
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