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これから世界を席巻する!? USB Type-Cを知るUSB前夜から歴代コネクタたちを偲びつつ(3/6 ページ)

» 2015年03月05日 09時45分 公開
[Max MaxfieldEE Times]

 個人的には、これはUSB設計者が技術的側面にこだわりすぎたからではないかと考える。多分、設計者たちは、一般の使用者が勘違いして、同じPCの2個のソケットにケーブル各端を差し込んだり、別々のPCの2個のソケットの間をつないだりすることを恐れたのだろう。実際には、そうしたことの起こる確率はごく小さい。たとえ、誰かがそのようなことをしでかすとしても、そのような間違った接続を検知し、ポートを不活性化し、間違いを使用者に知らせるようなシステムを設計することが不可能ではなかったはずだ。こんなことを指摘しても“済んでしまったこと”なのだが。

 間もなく、Type-AとType-Bのコネクタがある種のアプリケーションには大き過ぎ、PDAやモバイルフォンあるいはデジタルカメラなどの小型デバイスに使うにはもっと小型の新タイプコネクタが要求されることが明白なった。

図4 小型タイプのコネクタ

 こうした新タイプ コネクタには図4に示すようなMini-A、Mini-B、Micro-A、Micro-Bがある。

 MiniおよびMicroのコネクタは5ピンだ(標準のType-A、Type-Bは異なり、4ピン)。この追加されたIDピンがAプラグとBプラグの識別を可能にする。Aプラグの場合はIDピンが信号グラウンドになり、BプラグではIDピンが非接続だ。この特性はUSB On-The-Go(OTG)をサポートするために利用され、この場合、1つのデバイスがホスト(リンクマスターのように働く)あるいは周辺デバイス(スレーブ機器として働く)のいずれにもなり得ると想定されている。

 ここまで来たので、ワイヤレスUSB(非公式にはWUSBとして知られる)の概念を取り上げたい。これはUSB-IFフォーラム内のワイヤレスUSB推進グループによって開発された短距離、広帯域ワイヤレス通信プロトコルだ。ワイヤレスUSBはゲームコントローラ、プリンタ、スキャナ、デジタルカメラ、MP3プレーヤ、HDDやSSDなどのアプリケーションで関心が持たれている。

 少し横道にそれたが……。

図5 USB3.0コネクタ

 USB3.0規格が2008年11月にリリースされ、5Gビット/秒のデータ伝送が可能なSuperSpeedがサポートされることになった。この規格の実に優れたところは、USB3.0ポート(通常ブルーに色づけされる)がUSB2.0デバイスおよびケーブルに対し下位互換性のあることだ。この働きはデュアルバスアーキテクチャによるもので、これによりUSB1.x/2.0(Low Speed、Full SpeedあるいはHigh Speed)とUSB3.0(SuperSpeed)の同時動作が可能になった。図5に示すUSB3.0 Standard-Bコネクタを見ていただきたい(USB3.0 Standard-BおよびMicro-Bコネクタも利用可能だ)。

 図5において、前列に見える4ピンがUSB1.x/USB2.0下位互換を可能にする。これらのピンはUSB3.0接続を可能とする第2列の5ピンにより強化されている。

 2013年7月にUSB3.1規格がリリースされた。新しいエンコーディング方式およびUSB3.0用のケーブルとコネクタに対する拡張された完全下位互換性とが相まって、USB3.1は最大帯域が倍の10Gビット/秒になった。この新伝送モードは公式には“SuperSpeed USB 10Gbps”あるいは短縮して”SuperSpeed+”と呼ばれる。

 以上により、USB Type-Cが華々しく登場する舞台が出来上がった!!

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