USB Type-Cは幾つかの側面に特徴がある。コネクタ自体の物理的構造、大変に複雑な電力供給の仕組み、さらに、柔軟な新通信モードだ。
24ピンコネクタから始めよう。これは小型である(高さ3mm、幅8mm)とともに頑強だ(1万回の定格挿抜回数)。
USB Type-Cのケーブルとコネクタの重要な特徴は次のようなものだ。
では、USB Type-Cコネクタのピン配列と基本的な信号割当て(アサインメント)について図7でより少し詳しく見てみよう。
Vbus(電源)およびGND(グラウンド)ピンの役割は言うまでもなく名前の示す通り、あるいは見かけ通りだ。実際には、これらのピンは一般に想像されるよりも少々複雑だが、この点は少し後で取り上げる。最初に、幾つかの用語を定義しておこう。
Downstream-Facing Port(DFP)はホストとして言及する場合に利用され、Upstream-Facing Port(UFP)は周辺デバイスと見なす際に使用される。Dual Role Port(DRP)という概念もあり、これはDFPあるいはUFPとして機能するよう設定され、さらには、これら2つの機能がダイナミックに切り替わることもある。
D+とD−ピンは旧来のUSB2.0をサポートするために使用される。この場合に必要なことはDFPがVbusピンに5Vを供給すること、ただそれだけだ。
Vbus(電源)ピンの説明に戻ると、以前はDFPが常にUFPに電源を供給した(今は何でもありだ)。例えば、USB Type-C対応のテレビにUSB Type-C対応タブレットを接続する場合を考えてみよう。この場合、タブレットからテレビにビデオ信号が送られ、テレビからタブレットに電源が供給されることになる。これとは別に、Type-C対応タブレットがType-C対応スマートフォンに接続される場合は、タブレットからスマートフォンに電源が供給され、スマートフォンからビデオ信号が送り返されることになる。
最初にDFPがVbusピンに5Vを供給する(言い換えれば、USB2.0やUSB3.xと同様だ)。USB2.0はポート当たりほぼ500mAを供給でき、USB3.xではポート当たり電流が900mAに増える。USB Type-Cはポート当たり100W(20Vで5A)までをサポートする。DFP(またはUFP)から供給され、ケーブルで伝送され、UFP(またはDFP)が受けることのできる実際の電圧と電力はDFPとUFPがPower Delivery(PD/電力供給)スキームに関してネゴシエートすることにより決まる。つまり、どのピンが電力を供給し、その電力をどのピンが受電し、どのような電圧を使用し、どの程度の電流が利用可能か、がネゴシエートされる。
最終結果は、その(デバイスの)能力に応じて変わるが、あるときには一方のデバイスが電力とデータの両方を送信し、また、あるときには電力とデータの両方を受け取り、また別のときには、片方を伝送し他方を受ける、あるいは、これら全ての可能な動作がダイナミックに切り替わることもある。繰り返すと、これらの動作は全てさまざまなデバイスの間でネゴシエートされて決まることだ。
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