スマホ同士でのワイヤレス給電を可能にする「Wireless PowerShare」を発表 : ワイヤレス給電技術
IDTは2015年3月、スマートフォンなどのモバイル機器同士でのワイヤレス給電を実現する技術「Wireless PowerShare」を発表した。
IDT(Integrated Device Technology)は2015年3月6日、スマートフォンなどのモバイル機器でワイヤレス給電の送電機能と受電機能の双方を実現する技術「Wireless PowerShare」を発表した。
Wireless PowerShareは、ワイヤレス給電のレシーバとしても、トランスミッタとしても使用できる技術だ。
「Wireless PowerShare」のイメージ。スマートフォンからウェアラブル機器へのワイヤレス給電が可能になる 出典:IDT
これまで、ワイヤレス給電対応機器は、送電機能、受電機能のどちらか1つの機能のみの対応に限られ、スマートフォンなどモバイル機器であれば、受電機能だけを備えることが一般的だった。Wireless PowerShareは、モバイル機器で送受電の両機能を実現できるとし、同技術対応スマートフォンであれば、あるときは卓上ワイヤレス充電器から受電し、あるときはウェアラブル端末に送電するといった利用が可能になる。また将来的には、同技術対応スマートフォン同士で、互いにワイヤレスで電力を融通できるようになる見込みだ。
IDTでは、Wireless PowerShareを実現するICとしてP9700シリーズを製品化する方針。同シリーズとして、A4WP(Alliance for Wireless Power)、PMA(Power Matters Alliance)、WPC(Wireless Power Consortium)の3つの主要ワイヤレス給電規格を、シームレスに利用できるようにするという。出力は5〜10Wで、プロプラエタリモードを備えるとする。
ワイヤレス給電の最新事情
ワイヤレス給電技術については、電磁誘導(MI:Magnetic Induction)方式と磁気共鳴(MR:Magnetic Resonance)方式の2つの標準化が進められています。いずれもコンパクトに実装でき、コストを抑えられることから、民生機器市場におけるワイヤレス給電の主要な方式となっています。本稿では、ワイヤレス給電の市場と、MI方式、MR方式の両技術の現状について説明します。
ワイヤレス給電、総合効率を最低80%に向上
三菱電機エンジニアリングは、効率が最低95%の高周波電源技術や、電源損失を含む総合伝送効率を最低80%に高めたワイヤレス電力伝送システムなどのデモ展示をWTP2014で行った。
A4WPのトップが「rezence」の最新状況を説明
ワイヤレス給電の標準化団体「Alliance for Wireless Power(A4WP)」のプレジデント兼ボードチェアマンであるKamil A.Grajski氏が、A4WPの最新動向に関しての講演を実施し、今後策定予定の認証プログラムなどについて説明を行った。
ワイヤレス給電の市場規模、5年後は40倍に
業界団体がパートナーシップを組むなど、新たな動きがみられるワイヤレス給電市場。世界での売上高は、2013年から2018年にかけて約40倍になる見通しだ。
「モバイル機器向けワイヤレス給電の本格普及は2013年後半から」、IDTが見解
モバイル機器向けワイヤレス給電システムの市場が本格的に立ち上がる日は近い――。Integrated Device Technology(IDT)は、「対応するモバイル端末が投入された後、2013年後半から、コーヒーショップやファストフード店でモバイル機器向けのワイヤレス給電サービスが始まるなどインフラ整備が進む。地域的には米国や韓国などが先行しそうだ」と予測している。
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