東芝は、スマートフォンなどに搭載される小型のイメージセンサーでも、大型イメージセンサー並みの高感度でノイズの少ない画質を取得する画像処理技術を開発したと発表した。
東芝は2015年3月、スマートフォンなどに搭載される小型のイメージセンサーでも、大型イメージセンサー並みの高感度でノイズの少ない画質を取得する画像処理技術「無限高画質」を開発したと発表した。
イメージセンサーは一般に、サイズが同じ場合、画素数が多ければ、画素当たりの受光量が減少し、感度が低下する。その結果、ノイズが発生しやすくなる。ノイズを抑えるために露光時間を長くすると、手振れにより画質が劣化する。そこで、画質劣化を防ぐ目的で、数枚の撮影画像を合成する電子式手振れ補正技術がスマートフォンなどで多く用いられている。ただ、電子式手振れ補正技術は、撮影画像の保持用に複数のメモリが必要となるため、合成する画像の枚数が限られてしまい、ノイズ低減効果も限定的だった。
これに対し東芝が開発した無限高画質技術は、膨大なメモリを使わずに、ノイズを大きく低減させながら、手振れも防ぎ、鮮明な画質を取得できる技術とする。具体的には、連続的に撮影される多数の画像を、独自の高精度動き検出技術を用いることで、手振れを補正しながら画像1枚分のメモリで順次合成し、ノイズが少なく鮮明な画像の生成を実現した。
独自の高精度動き検出技術は、大きな手ブレの振動から小さな振動まで効率的に、高精度に検出でき、複数の画像を合成することで、ランダムに発生しているノイズが除去できる。また、被写体の輪郭などは重ね合わることでより鮮明な画像にすることもできるという。
東芝では開発した技術について、「暗くてノイズの大きな夜景シーンなどにおいて、ノイズを抑えた鮮明な画像を生成することが可能になる。(今後、)スマートフォン、タブレット、車載、監視、内視鏡などの各種カメラ撮像での実用化に向けて研究開発を進めていく」としている。
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