日本のテレビ市場についてLGエレクトロニクス・ジャパンは、楽観的な見方をしているようだ。「7〜8年前には、かなり高価なプラズマテレビが売れたので、(今は)買い替えの時期が来ていると思う。また、2020年の東京オリンピックの開催も控えていて、2017〜2018年からテレビの需要が盛り上がってくると考えている」(LGエレクトロニクス・ジャパン)。
LGエレクトロニクス・ジャパンは、今後は「32インチ以上の大型」「4K対応」「有機ELテレビ」というハイエンドの路線で製品ラインアップをそろえていくとしている。LGエレクトロニクス・ジャパンの社長であるキョン・ガプス氏は、「日本市場において安定的に5%以上のシェア獲得を目指す」と述べている。イ氏によれば、具体的な販売台数は特に定めていないという。
ソニーやパナソニックが撤退し、Samsung Electronicsも完全に足踏み状態となっている有機ELテレビ市場。日本メーカーに追い付き、追い越し、さらにSamsung Electronicsを引き離した大きな要因の1つは、LGが、画素の形成方式としてカラーフィルタ方式の採用にある。白く発光する有機層の上に、RGBのカラーフィルタをサブピクセルとして配置し、色を取り出す方法だ。LGは、カラーフィルタの配置によって犠牲になってしまう輝度を補うため、これに白(W)を追加して「WRGB」の4つのサブピクセルを適用している。RGBをそれぞれ独立に発光させる方式よりも、マスク蒸着などの手間が省けるため、製造の難易度が下がる。LGエレクトロニクス・ジャパンは、「WRGBのカラーフィルタ方式を採用したことが、商品化と量産化にこぎつけた鍵になった」と述べている。イ氏は、「有機ELパネルはLG Displayが製造している。具体的な数字は公表できないが、歩留まりもかなり上がっていると聞いている」と述べている。
イ氏は、「十数年前は、液晶テレビが時代を変えるといわれた。今は、有機ELテレビが時代を変えると思っている」と語った。
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