半導体エネルギー研究所は、「Display Innovation 2014」において、4枚の13.5型のパネルを組み合わせて、つなぎ目が目立たないようにした27型ディスプレイや、1058ppiの解像度を実現した2.78型ディスプレイ、タッチパネル機能を付けた折り畳み可能な「Foldable Display」などを展示した。
半導体エネルギー研究所は、「Display Innovation 2014」(2014年10月29〜31日、パシフィコ横浜)において、アクティブ駆動用バックプレーンにCAAC-OS(C-Axis Aligned Crystalline-Oxide Semiconductor、c軸配向結晶性酸化物半導体)技術を用いた有機ELディスプレイを展示した。
特に、有機ELディスプレイで来場者の注目を集めていたのが、13.5型のパネルを4枚使って、つなぎ目が目立たないようにした27型ディスプレイや、1058ppiの解像度を実現した2.78型ディスプレイ、タッチパネル機能を付けた折り畳み可能な「Foldable Display」などである。
複数のパネルをつなぎ合わせるマルチ有機ELディスプレイは、額縁が透明で柔軟性に優れているため、駆動用ICが実装された部分を折り曲げて、裏面に配置することができる。しかも、薄型のためディスプレイを複数枚並べても、パネル間のつなぎ目が目立ちにくいという。このため、複数枚のパネルをつなぎ合わせることが容易だ。会場では、4枚の13.5型パネルを使った27型のディスプレイ(画素数は2560×1440)を展示した。解像度は108ppiである。「13.5型のパネルを9枚(3×3)並べると40.5型の4Kパネルを、36枚(6×6)並べると81型の8Kパネルを、それぞれ作成することができる」(説明員)という。
CAAC-OS技術を用いて、13.3型の画面サイズで8K(7680×4320画素)を達成したスーパーハイビジョンディスプレイ「IP8K」もデモ展示した。解像度は664ppiとなる。さらに、画素密度が1058ppiの有機ELディスプレイも展示した。わずか2.78型の画面サイズに2560×1440の有効画素数を作り込んでいる。「ガラス基板上のTFTを用いたディスプレイとしては、世界最高の解像度を実現した」(説明員)と話す。輝度は300cd/m2である。
これらの新技術と同等あるいはそれ以上に来場者の注目を集めていたのが、折り畳み可能な「Foldable Display」である。5.9型製品は2つ折りもしくは3つ折り可能な製品のデモを行った。折り曲げた状態かどうかは内蔵したセンサーで認識することができるという。「推奨する曲率半径は3mmだが、2mmでも10万回以上の曲げ耐久性を達成している。物理的には半径1mmでも折り曲げ動作は可能」(説明員)と話す。今回は折り曲げ可能な有機ELディスプレイに、タッチパネル機能を付加した8.7型製品も展示した。
アクティブ駆動用バックプレーンにCAAC-OS技術を用いる同社の有機ELディスプレイは、低温ポリシリコンTFTを用いる有機ELディスプレイ製品に比べて、高精細化や大画面への対応が容易である、という。
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