医療やエンターテインメント分野で活用されているホログラムに、新たな応用分野が登場した。スペイン・マドリードで、新法案に反対する人々が、ホログラムを使った“仮想的な”抗議デモを実施したのだ。
ホログラフィ技術が、さまざまな分野で応用され始めている。例えば、イスラエルのRealView Imagingは、医師が手のひらに臓器のホログラフィ画像を乗せ、自由に動かしたり触ったりできる技術を開発した。また、NTTは、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、ホログラフィ技術などを活用して、まるで競技場にいるかのような高い臨場感を味わえるプロジェクションマッピング技術「イマーシブテレプレゼンス技術 Kirari!」の開発を進めている*)。
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そして今回、新たな“応用分野”がスペイン・マドリードで披露された。
2015年7月に施行される予定の法案「Citizen Safety Law(市民安全法)」に異議を唱える人々が、自ら“ホログラム”となってデモ行進を行ったのだ。米CNN、欧州のeuronewsなど、複数のメディアが報道している。
CNNによると、同法案はさまざまな抗議活動を禁止するもので、例えば国会の前で抗議活動を行った場合、最大で3万ユーロ(約380万円)の罰金が科せられる可能性があるという。
抗議デモを主催した団体は、2000人におよぶ世界中の参加者から送られたスキャンデータを基にデモ行進の映像を作成。プロジェクタを使って、国会議事堂の前に投影したという。その場にいなくても、デモ行進に参加できるということだ。主催団体は、「ホログラムを使った仮想的な抗議デモは世界初だ」と主張している。
仮想のデモ行進は2015年4月10日(現地時間)の夜、約1時間にわたって行われた。CNNは、「誰も逮捕されなかった」と、ニュースを締めくくっている。
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