台湾の研究所が開発した「i-Air Touch」は、バーチャルな3Dディスプレイが前方に投影される眼鏡型端末だ。i-Air Touchの上部に取り付けたカメラは、指の動きをミリメートルの精度で追跡し、それによってバーチャルディスプレイをタッチで操作することもできるという。
台湾の新竹市に拠点を置くIndustrial Technology Research Institute(ITRI)が開発した「i-Air Touch」は、手の動きを追跡できる、ヘッドマウント型の端末だ。米国のメーカーが開発した3D写真ビューワ「ビューマスター」に、形状が似ている。i-Air Touchは、“技術のアカデミー賞”といわれる「R&D 100 Award 2013」を受賞した製品である。
i-Air Touchは、右目用/左目用の映像を見せることで、ユーザーは、自分の30cm前方にバーチャルな3D映像(バーチャルディスプレイ)が浮かんでいるかのように見える。さらに、眼鏡部分の上部に取り付けたカメラで手(指)の動きを追跡することにより、バーチャルディスプレイ上でタッチ操作を行うことも可能だという。
ユーザーは、スワイプしてページをめくったり、タップしたり、ピンチしてズームしたりと、通常のタッチスクリーンと同じようにバーチャルディスプレイを操作できる。もちろん、バーチャルディスプレイは、i-Air Touchを装着している本人にしか見えない。
i-Air Touchのカメラは、ITRIが独自に開発した「DDDR(Defined Distance with Defined Range)」カメラである。このカメラはミリメートルの精度で手の動きを追跡する。ユーザーの指がi-Air Touchの前方28〜30cmの所にある時だけ、タッチ操作が可能だという。ユーザーの指がその範囲外にある時は、カメラは認識機能をシャットダウンしてバッテリを節約する。
ITRIは、端末を全体的に小型化するために、まずはカメラの小型化に取り組んでいるという。
【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】
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