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日本の総エネルギー消費量はどれくらい? E=MC^2から計算してみる世界を「数字」で回してみよう(14) 環境問題(5/7 ページ)

» 2015年04月20日 14時30分 公開
[江端智一EE Times Japan]

(付録1)連載1年を振り返って

 「原発の再稼働は必要だ」という人もいれば、「原発の再稼働は不要だ」という人もいると思いますが、その時、今回のような数字を「使う」のと「使わない」のでは、その主張の重みが全然違ってくると思います。

 数字は使い方で武器になります。

 本連載の第1回で申し上げた通り、2つ以上の相反する問題があった場合、それを解決する手段として、正義とか正論とか倫理とか、そういう、唯一解を導き出せない議論は、もう「時代遅れ」なのではないか、と思うのです。

 インターネットのない時代と違って、今はネット上に数字があふれ返っています。私たちは、もう「そんなこと、知らなかった」とは言えない時代に生きているのです。

 実際、これまで1年間の連載で私が使った数字は、全てネット上に公開されているものだけです。私は、これを自分なりの方法で料理して、読者の皆さんにお出ししてきただけです。

 一方、数字は、暴力としても機能します。

 いつの時代でも、数字は、権力サイドの暴力として役に立ってきました(公害裁判の国側の証拠などを調べて頂ければ明らかです)。そのような暴力が私たちに襲いかかってきたとき、怒号、泣き落とし、腹芸などを使っても、その場限りの対応しかできません。結局のところ、数字の暴力に勝つためには、数字で闘わなければならないのです。

 まあ、そのような物騒な話はさておき。

 私は数字を扱うために、二次関数や三角関数、指数関数や対数関数を使いこなす必要はないと考えています。事実、私が、この1年間で使ってきた道具は、電卓でできる四則演算(とエクセルと気合)だけです。

 たったそれだけのもので、世の中の大半の問題は、数字に置きかえて理解できるようにできている ―― それが、この連載で私が皆さんに申し上げたいことなのです。

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