さらに、通信距離に応じて無線通信動作時の消費電力を自動的に最適化するアダプタブル機能も新たに追加している。例えば、通信距離が1m以下では受信電流を3.3mA、送信電流を2.8mAと、通常モード時よりそれぞれ小さくすることで消費電流を抑える。一方で、遠距離モードになると接続維持を優先するために、受信電流のみを3.7mAに増やす。これにより、通信距離を通常モード時より25%伸ばすことができるという。
RL78/G1Dは、無線通信に必要な多くの周辺回路を内蔵していることも特長の1つだ。アンテナ接続回路に必要となるバラン素子を内蔵したことにより、RFトランシーバ信号端子と外部のアンテナ素子をそのまま接続することができる。これによって、バラン回路を構成するための外付け部品が不要となり、アンテナ接続部の回路設計を容易とした。DC-DCコンバータ回路なども内蔵しており、部品コストの節減が可能となる。
なお、プロトコルスタックとプロファイル/アプリケーションは分割実装されており、プロファイル/アプリケーションソフトウェアのアップデートを無線通信で行うことが可能だ。また、これまで利用しているRL78向けの開発環境や、開発済みのソフトウェア資産を流用することができる。
RL78/G1Dは、内蔵するフラッシュメモリ容量が128kバイト〜256kバイトで、システム構成によって6品種を用意した。サンプル価格は500円。量産出荷は2015年10月より始める予定だ。
ルネサス エレクトロニクスは、RL78/G1D応用機器の迅速な開発/評価に向けて、評価ボードやBluetooth認証取得済みのプロトコルスタック、パソコン用ツールなども提供している。
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