新生サイプレスとしては、「モバイルデバイス」「IoT(モノのインターネット)」「民生機器」「PC/インタフェース」「車載」「産業/FA」「ネットワーキング」の7分野を重点市場と位置付ける。その中で、日本法人では、「日本企業が海外で勝てる市場」とする「IoT」「(OA機器向け)インタフェース」「車載」「産業/FA」の4市場に絞って、「人員リソースも増強しながら注力していく」とした。
新生サイプレスは、全世界で合併に伴い人員削減するとの報道*)もあったが、「米国本社を中心に間接部門に限ったことで、製品のデザインに関わるエンジニアは、(勤務する)場所なども含めそのままとし、逆に増強している」と日本のデザイン拠点を含めて維持強化を図ることを明言した。
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注力商品に関しては、合併で強化されたメモリ製品と、プログラマブルSoC(PSoC)とマイコンなどで構成するARMコア搭載デバイス製品、さらに旧サイプレスが強化を続けてきたUSB関連製品の3分野を挙げる。特にメモリと、ARMコア搭載デバイスについては、「製品重複のない2社の合併により、デパートのような品ぞろえになったこと」を強みとして挙げる。「メモリは現状、DRAMを除くあらゆる種類がそろう。さらに、現在、(DRAMを手掛けるメモリメーカーである)ISSIに買収提案*)を行っており、DRAMも手に入る見通し」と語り、DRAMを含む全メモリの取り扱いに向けて意気込みを示した。
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車載市場に強い旧スパンションのマイコンと、旧サイプレスのPSoCの関係性については、互いのIPを双方で活用していくとし、PSoCの特長であるプログラム可能な回路ブロックを、旧スパンションのマイコン製品の周辺機能の1つとして搭載していくことなどを示唆した。
その他、国内の販売代理店網の再編にも言及し、「それぞれの代理店が得意とするエリアで連携していく。代理店の人員リソースも、サイプレスのリソースとして考え、(サイプレス従業員と)同じスキルレベルとなるよう、旧サイプレスが有している特別な教育プロジェクトを適用していく」と語った。
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