Gartnerの予測によると、半導体の世界売上高の成長率は、2015年と2016年の2年間は、下落傾向になりそうだ。ウェアラブル機器を含むIoT市場は順調に成長するものの、ハードウェアに搭載される半導体の量が少ないため、大きなけん引力とはならない可能性がある。
半導体の世界売上高の成長率は、PCとスマートフォンの需要の低迷により、2015年と2016年の2年間は、下落傾向になるという。IoT(モノのインターネット)と中国が半導体市場を活性化しているが、同市場の成長を長期間にわたり後押しする要因とはならないようだ。
Gartnerが「Semicon West」(2015年7月14〜16日、米サンフランシスコ)で発表した予測によると、2015年における半導体世界売上高の成長は2.2%、2016年はわずか1.3%だという。2017〜2019年にかけては、4%以上の成長を遂げるとみられている。
2015年におけるPC売上高は、前年比で8.7%減となる見込みだ。携帯電話機の売上高も、2015年はわずか0.7%増だという。2014年は3%増だった。GartnerのアナリストであるBob Johnson氏は、「エンドユーザーの需要が弱いことが、半導体売上高の低下につながるとみている」と分析する。
メモリ業界では、Samsung ElectronicsとSK Hynixの新しい生産工場の稼働開始に伴い、2015年後半にはDRAMが過剰供給になるとみられている。一方で、NAND型フラッシュメモリ市場は、SSDの需要増加に伴い、2019年まで8.1%の年成長率で成長すると予測されている。
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