一方、中国は、半導体市場におけるシェアを拡大すべく、政府資金として200億米ドルを投じることを明らかにし、半導体業界を揺るがせている。Gartnerで中国担当アナリストを務めるSamuel Wang氏は、「最終的には、政府や地方、民間の投資家たちによって、約1000億米ドルが投じられる見込みだ」と述べる。
半導体製造装置/材料関連の業界団体であるSEMI(Semiconductor Equipment and Materials International)の中国支社でプレジデントを務めるAllen Lu氏は、会談の中で、「これまでの取り組みとは異なり、中国政府が提供するのはもはや“助成金”ではなく、見返りを要求するための“資金”となっている。合併買収もその一環として行われるという点が、これまでとは全く違う」と述べている。
Lu氏は、「中国政府が出資する200億米ドルの資金の一部は、中央銀行の他、China Tobaccoなどの既存の国有企業が出資している。中国が、自国経済におけるハイテク産業への依存度を高めたい考えであることが分かる」と指摘する。
この200億米ドルの資金に関しては、どれだけの金額をいつ使う予定なのかといった情報でさえほとんど明らかにされていない。2015年7月、中国半導体メーカーのTsinghua UniGroupが、Micron Technologyを230億米ドルで買収しようとしていることが報じられたが、Micron Technologyの担当者はこの件について、「買収提案を受けたことはない」と否定している。
Lu氏は、「中国は過去10年間にわたって、独自の資本設備を整備したり、材料メーカーを設立するなど、大きな進歩を遂げてきた。しかし現在のところ、こうしたメーカー各社のシェアは、いずれも1桁台と低く、主要な部品や材料を欧米企業に依存している状況にある」と指摘している。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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