米国のアナリストによれば、完全な自動運転車は2020年までに市場に投入される可能性が高いという。そうなれば、VPU(Video Processing Unit)など比較的新しい市場が活性化される可能性がある。
「完全な自動運転車は2020年までに市場投入されるだろう。価格は、普通自動車より1万米ドルほど高くなる見通しだ。現在の自動運転車市場は100億米ドル規模だが、2025年には2倍に成長し、ビジョンプロセッサのような新たなセグメントが活性化すると予想される」。
これは、米国の市場調査会社であるThe Linley Groupの主席アナリストを務めるLinley Gwennap氏が2015年10月6〜7日(米国時間)に開催する年次イベント「Linley Processor Conference」で行う講演の一部分だ。Cadence Design Systemsはこの新しいトレンドに乗りたい考えで、同社が2013年に買収したTensilicaのビジョンDSPを同イベントで紹介する予定だという。
Gwennap氏は、「自動運転車の分野に携わる人たちと話してみて、この技術の実現はもうそこまで来ていることが分かった。自動車メーカーは新モデルの設計に長い時間をかける。既に2018〜2020年モデルの開発に着手していると考えると、自動運転車のテストも実施されているだろう」と述べた。
同氏は、次のようにも分析している。「現在の自動車は既に『車線検出』ができる。車線検出は、自動車が道路で走行し続けるために必要な基本的機能である。『定速走行・車間距離制御』は、安全な車間距離を維持するために必要な機能で、現在テストが行われている。この2つの機能は、ハイウェイを走行するための重要な要素だ」。
さらに、「先進運転支援システム(ADAS)を手掛けるイスラエルのMobileyeのような企業は、都会での複雑な運転に関する多くの問題を解決してきた。しかし、発生頻度の低い厄介な事象に対しては、さらなる研究開発が必要である。非常時に運転を引き継いでほしいという要望は多い。ただし、それは、自動運転車が人間よりも柔軟に緊急事態に対応できる場合にのみ言えることだ」と続けた。
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