日立ハイテクノロジーズは2015年11月、4〜8インチウエハーサイズに対応した高分解能FEB(Field Emission Beam)測長装置「CS4800」を開発したと発表した。CS4800は、2015年12月16〜18日に東京ビッグサイトで開催される「SEMICON JAPAN 2015」で展示される予定だ。
日立ハイテクノロジーズは2015年11月、4〜8インチウエハーサイズに対応した高分解能FEB(Field Emission Beam)測長装置「CS4800」を開発したと発表した。従来機器と比較して、二次電子分解能と計測再現精度が向上。また、計測オペレーションの自動化におけるスピードを高めたことで、既存ラインの生産性向上につなげたという。
さらに、最大2種類のウエハーサイズの自動搬送が可能。同社によると、従来機器は1種類しか対応しておらず、ウエハーサイズを切り替えるときは、専門のエンジニアが作業を行う必要があった。CS4800は、顧客が簡単な作業を行うだけでウエハーサイズの切り替えができるという。シリコンウエハーだけではなく、炭化ケイ素(SiC)や窒素ガリウム(GaN)などの材質にも対応している。これにより、「IoT市場関連をはじめ、人々の暮らしを支える新デバイスの開発/製造に貢献する」(同社)としている。
Gartnerの統計によると、8インチ以下のウエハーで製造された半導体デバイスは、世界の半導体生産量全体の45%を占めており、今後も通信デバイスや各種センサーなど成長が期待されるIoT(モノのインターネット)市場を支えるデバイスとして期待されている*)。同社は、半導体デバイス製造の生産性向上に貢献する6〜8インチ対応の測長SEM(Scanning Electron Microscope)を、1984年の発売から2000年代初頭までに約2300台納入してきたという。しかし、装置の老朽化やアフターサービスの維持/継続が課題となり、より高精度で高速計測が可能なCS4800を開発するに至っている。
*)関連記事:IoTによる200mmファブの復活――SEMIが語る
CS4800は、2015年12月より受注を開始。価格は個別対応としており、販売計画は2018年に年間20〜30台としている。また、2015年12月16〜18日に東京ビッグサイトで開催される「SEMICON JAPAN 2015」で展示される予定だ。
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