4μmという厚さは、DRAMのデバイス層よりも薄く、可視光を透過する程度の薄さだ。デバイス層を含めても、10μm以下の厚さとなり、配線長は従来のバンプとTSVを組み合わせた場合に比べ、10分の1程度にまで短縮可能になる。長さが10分の1になるため、配線抵抗と電気容積の積は100分の1にまで減少。「4Gビット、8Gビット、16Gビットといったメモリ容量の拡大に合わせてWafer on Wafer(WOW)プロセスを使って4層、8層、16層積層しても薄化したチップであれば電気的な課題が解消される」(東工大)としている。
仮に10μm程度の厚さの16Gビット容量のメモリチップを1テラビット容量分に相当する64層積層したとしても、全体の厚みは800μm以下に抑えられる。
東工大では、「薄化でTSVを短く、また小さくできると、加工しやすくなり、生産性が大幅に向上する。同時にバンプの制約がなくなるので、1mm2当たり1000本から1万本のTSVを形成することができる」としている。
なお、東工大とWOWアライアンスは、2015年12月6〜9日に米国で開催された国際電子デバイス会議「IEDM 2015」で今回の成果を発表した。
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