2015年3月に、米メディアが相次いで、Intelが、FPGA大手のAlteraを買収する方向で交渉が進んでいると報道した。低迷するPC市場以外の市場の攻略が急務となりつつあるIntelにとって、Alteraの主力である通信市場向けFPGAを手中に入れる利点はある。同時にAlteraは、強化している半導体受託製造(ファウンドリー)事業の大口の顧客でもあり、そうした面でも買収する価値が見いだせる。しかし、報道された買収額は100億〜130億米ドルで、「わずか20億米ドル以下の年間売上高を得るために、130億米ドルを投入するのか」とAlteraの売上高に比して割高感ある費用だとして、買収効果に対し懐疑的な見方も広がった。
そうした中で、4月には買収額で両社の折り合いが付かず、「交渉決裂」の報道がなされ、「IntelはAlteraを諦め、Broadcomを買収するのではないか」という臆測が広まった。
しかし、6月に入り、一転、IntelがAlteraの買収を発表。その買収額は、3月時点で報道された額を大幅に上回る167億米ドルで決着した――。買収により、x86系プロセッサとFPGAダイを1パッケージにした製品開発などがよりスムーズになり競争力を増すとの見方がある一方で、その買収額の高さに見合う効果は得られにくいとの見方もあり、IntelがAltera買収後にどのような手を繰り出すかは定かではない。Intelは6月の買収発表時点で買収作業には「6カ月〜9カ月を要する」とし、間もなく、Intel傘下のAlteraが誕生する見込みだ。
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