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» 2015年12月24日 11時30分 公開

2015年半導体業界再編を振り返る[上半期編]吹き荒れたM&Aの嵐(2/4 ページ)

[竹本達哉,EE Times Japan]

3月――NXPが大型再編の口火を切る

富士通とパナソニックのシステムLSI設計部門が統合、ソシオネクスト発足

 2013年2月に基本合意していた富士通とパナソニックの両システムLSI設計部門の統合が2年越しで実現した。新会社「ソシオネクスト」には、富士通、パナソニックに加えて、日本政策投資銀行が出資し、出資比率は富士通と日本政策投資銀行が40%、パナソニックが20%。初代CEOには、元京セラ社長の西口泰夫氏が就任した。

NXPがFreescale買収を発表=買収額118億米ドル

 ソシオネクスト発足と同じ日に、2015年の半導体業界大再編の口火ともいえるような巨大な買収案件の発表があった。売り上げ規模約60億米ドルのNXP Semiconductorsが、同約45億米ドルのFreescale Semiconductorを買収すると発表したのだ。買収額は118億米ドルにも及んだ。

 Freescaleを取り込むことで、NXPの売り上げ規模は100億米ドルを超え、世界半導体メーカートップ10入りを果たす。さらに車載半導体に関しては、ルネサスやIRを買収したInfineonを上回る世界シェア13%超に達し首位となる。

 NXPはPhilips、FreescaleはMotorolaと、大企業の半導体事業部門からスピンアウトした半導体専業企業であり、IDM(垂直統合型)ビジネスモデルを貫くという共通点の多い両社。製品も、マイコンなどで重複がみられるものの、ターゲットとするアプリケーションですみ分けされており、多くの分野で補完関係が望める状況だ。完全な競合関係にあり、両社あわせるとシェア80%超に達し独占禁止法に抵触する可能性のあったRFパワートランジスタ事業に関しては、NXP側事業を中国の投資会社(JAC Capital)に売却。相乗効果が発揮できる状態を構築し、2015年12月に買収作業は完了。新生NXPが発足した。

CypressとSpansionの経営統合が完了=取引額50億米ドル

 2014年12月に合意していたCypress SemiconductorとSpansionとの合併が完了した。合併後の社名は「Cypress Semiconductor」に統一された。両社ともに、組み込み用メモリや組み込み用プロセッサ/マイコンを主力に持つ。ただ、メモリではSRAMとNOR型フラッシュメモリのように異種メモリを扱い、プロセッサ/マイコン分野でもプログラマブル製品に特化してきた旧Cypressと、富士通半導体部門を源流に持ち車載、産業用途に強いSpansionのマイコン製品でのすみ分けもあり、相互補完性の強い合併となった。

 その後、新生Cypressは、旧Cypressが展開してきた民生機器向けタッチパネルコントローラIC事業を米Parade Technologiesに売却(譲渡額=1億米ドル)するなど、車載や産業機器市場への注力度を高めている。

MicrosemiがVitesse買収を発表=買収額3億8900万米ドル

 通信用の他、軍事、宇宙航空など向け半導体を展開するMicrosemiが、キャリア向け通信用半導体を展開するVitesse Semiconductorを買収すると発表した(2015年4月に買収完了)。Vitesseの持つイーサネット技術を取り込むことで、Microsemiはよりニッチな分野への製品展開を行う目的だとされる。ただ、Vitesseの製品群はImagination TechnologiesのMIPSコア、Microsemiの製品ラインはARMコア「Cortex-M」シリーズをそれぞれベースとしており、今後どのような製品開発を進め、相乗効果を発揮していくか注目を集めている。

中国投資会社がISSIの買収を発表=買収額7億3100万米ドル

 中堅DRAMメーカーであるISSI(Integrated Silicon Solution)を、中国の投資会社であるUphill Investmentが買収すると発表した。3月時点では、ISSIの発行済み株式3180万株全てを1株当たり19.25米ドルでUphillが買い取るとの内容での合意だった。

 しかし、5月に入り、Spansionと経営統合したCypressが1株当たり20.25米ドルで買い取る内容の買収案をISSIに提案。Cypressは、唯一欠けているメモリであるDRAMをISSI買収で手に入れる方針だった。しかし、このCypressの提案に対し、Uphillは1株当たり21米ドルとさらなる好条件での買収案を再度提出。結局、独占禁止法抵触などのリスクも考慮し、ISSIは、より良い条件を出したUphillへの株式譲渡を決定し、8月に譲渡が完了した。

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