米Wall Street Journalなど複数の米国メディアは、インテル(Intel)が、PLD大手のアルテラ(Altera)を買収する方向で交渉に入ったと関係筋の話を引用して報じた。
米国時間2015年3月27日、米Wall Street Journalなど複数の米国メディアは、インテル(Intel)が、PLD大手のアルテラ(Altera)を買収する方向で交渉に入ったと関係筋の話を引用して報じた(Wall Street Journalの記事)。買収額は100億米ドル(約1兆2000億円)超とし、交渉次第では決裂する可能性も残していると伝えている。
インテルの2014年売上高は559億米ドルで、半導体メーカーとしては世界最大の売り上げ規模*1)を誇る。一方のアルテラの2014年売上高は19億3000万米ドルで、製造設備を所有しないファブレス半導体メーカーとして世界10位圏内の規模となっている*2)。PLD/FPGAメーカーとしては、ザイリンクス(Xilinx)に次ぐ売り上げ規模で、FPGA2強の一角を占める。
*1)関連記事:2014年半導体メーカー売上高ランキング
*2)関連記事:2013年のファブレスランキング、中国・台湾勢の躍進目立つ
インテルとアルテラは2013年に、アルテラの次世代FPGA製品に、インテルの14nmプロセス技術を採用し、インテルに生産委託する内容の契約を締結し協業関係にある。アルテラは現在出荷中の20nmプロセス世代製品までは、台湾のTSMCに生産委託していた。
一方、インテルは、主力のPC向けプロセッサがPC需要の成長鈍化で苦戦を強いられている中で、モバイル向け半導体事業の強化とともに、自社の製造技術/設備を生かした受託製造ビジネスの拡大を狙っている。ただ、TSMCなどの受託製造専門企業や韓国サムスン電子(Samsung Electronics)に後れを取っており、現状の受託製造ビジネスの大口顧客であり、ファブレスメーカー大手のアルテラを買収することで、同ビジネスを安定させつつ、必要なノウハウを蓄積して強化する狙いがあるとみられる。
半導体業界は2015年に入り、再編が加速。インフィニオン テクノロジーズ(Infineon Technologies)によるインターナショナル・レクティファイアー(IR)の買収、サイプレス セミコンダクタ(Cypress Semiconductor)とスパンション(Spansion)の合併が成立した他、NXPセミコンダクターズが約118億米ドル(約1.4兆円)でフリースケール・セミコンダクタ(Freescale Semiconductor)を買収することで合意。インテルによるアルテラ買収が合意に至れば、2015年だけで100億米ドル超の大型買収は2つ目となる。
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