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安心してください、リバウンドは錯覚ですよ世界を「数字」で回してみよう(23) ダイエット(1/5 ページ)

さて、今回は、多くのダイエッターが恐れおののく「恐怖のリバウンド」について検証したいと思います。そこで、私が開発した「超シンプル体重シミュレータ」を使い、極端に体重を増減させるシミュレーションに挑んでみました。

» 2015年12月24日 10時30分 公開
[江端智一EE Times Japan]
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「世界を『数字』で回してみよう」現在のテーマは「ダイエット」。人類の“永遠のテーマ”ともいえるダイエットを、冷静に数字で読み解きます。⇒連載バックナンバーはこちらから



 マスコミ関係者を奥さんに持つ後輩が、本当かウソか知りませんが(多分、ウソでしょう)、「江端を、テレビのニュース番組のコメンテーターとして登場させてみたらどうなるか」という検討をしたそうです。

 その時、その奥さんは、

―― 江端さんはダメ

と、瞬時に否定したそうです。

 その理由がすごくて、「(1)『思い込み』から出発しない(2)筋道を立てて話をする(3)『数値』で語る」からだとか。

 「え? それって、悪いことなの?」と、その後輩に尋ねたところ、どうも「悪いこと」のようです。

――番組が欲しいのは「正解のコメント」ではなくて、「視聴者が求めているコメント」だから

だそうです。

 私は依頼されて書かせて頂いているライターですから、できるだけ多くの人に読んでもらってナンボです。

 しかし、今回の、「ダイエットシリーズ」は、回数を追うごとに読者が離れているようです(単なる私の思い込みではなく、私自身でも調べてみた結果です)。特に、ダイエットの世界において、「数値」は禁忌(タブー)であり、「データ」(特に「実測データ」)は、「虎の尾を踏む行為」としては最大級だと考えられます。

 ダイエットの記事は、ダイエッターを幸せな気持ちにさせるものでなければ、ソッポを向かれる運命にあります。

 だから―― ダイエットの記事を執筆するライターは、

 「13kg減の効果!」という広告のキャッチを見た時に、『初期値の体重と、期間を明記してくれんと、評価できないんじゃないの?』などと、一瞬でも考えてはならないし、間違っても、そういうことを記載してはならないのです

 それは、「信じれば、痩せられる」という「ダイエット教」の「ダイエット神」の存在を否定するような行為に他ならないからです。

リバウンドとは何か

 こんにちは。江端智一です。

 今回は、前回作った、「超シンプル体重シミュレータ」を使って、いろいろなシミュレーションをしてみました。その結果、かなり衝撃的な結果が得られましたので、今回はその幾つかをご紹介し、併わせて「リバウンド」とは何かを考えてみたいと思います。

画像1

 このシミュレータは、一言で言えば、「食べたエネルギーが、『どこかに消えて無くなる』わけではない」ということを計算するだけの単純なものです。自分や家族のダイエットのデータに当てはめて動作検証し、おおむね正しく動いていることを確認しています。

 まず、シミュレータで「江端智一(私)のダイエット」を派手に失敗させてみました。

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