Littelfuseの強みは、回路保護部品において全てのレンジをそろえている点にあるという。回路保護部品にもさまざまな種類があるが、多くのメーカーはどこかの専門分野に特化する場合が多い。Littelfuseは幅広い製品をラインアップしたことで、顧客の設計に急な変更があったとしても、柔軟に対応できるとしている。
蝦名氏は「当社は回路保護部品で多くのグローバルシェアをとれている。今後の成長戦略ももちろんあるが、市場が飽和する中で成長するのは、シェアをさらに高めない限り厳しい」と語る。そこで、新しいアクセルを踏むために展開するのがセンサー製品だ。
Littelfuseが展開するセンサーは、位置検出などに用いられるリードセンサーである。2012年に買収した車載向けセンサーのメーカーである「ACCEL AB」、2013年に買収したセンサーメーカー「Hamlin」の製品がベースとなっている。磁力による動作を基本にしているため、起動させるための電源が不要なのが特長だ。蝦名氏によると、センサー製品と回路保護部品は顧客が同じという、従来事業とのシナジーもあるという。
また、「従来のリードセンサーは部品単体で提供されているため、顧客が追加工しなければいけないことが多かった。当社は追加工まで行うことで、顧客に価値を提供できると考えている」(蝦名氏)と語る。中国のリードセンサー生産拠点をフィリピンに移転させることで、追加工による製造コストの低減も実現している。
リードセンサーは多くの機器に組み込むことが可能なため、市場の幅は広い。日本で狙う市場としては、「当社で行っている市場分析では、リードセンサーの需要の半分は海外も含めて自動車用途であることは分かっている。そのため、間違いなく自動車業界が1番大きなポテンシャルを持っており、日本でも注力していくだろう」(蝦名氏)とした。
現在、日本法人の売上高は、全社売上高の3%程度。蝦名氏は「1997年に日本法人を設立後、2003年頃から広報活動をしていなかった。そのため、日本における認知度が少し下がってきており、ヒューズだけをやっているといったイメージがまだ残ってている。今後は、3本柱を積極的に展開していくことで、日本のシェアを5%以上に上げていきたい」と熱く語った。
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