初期評価に欠かせない消費電流の計測も、「消費電流シミュレータ」機能により、プログラムステップごとに算出、把握可能。バッテリー寿命の算出機能も備える。
実際のプログラムを動作させた場合の消費電流だけでなく、各周辺機能の動作条件などをGUIで入力設定するだけでプログラムなしに消費電流の見積もりが行える「消費電流計算ツール」も用意している。
これら機能を備えたWebシミュレータは、同社Webサイトで無償で公開する(ユーザー登録は必要)。
溝口氏は「これまでアナログ半導体分野では、PC/クラウド上で性能や消費電力をシミュレーションできるツールが提供されてきた。ただ、マイコンに限っては、そうしたツールがなく、Webシミュレータが初めてだろう。費用、時間を掛けずにマイコンを試すことのできるWebシミュレータを展開していくことで、新規ユーザーの取り込みを図りたい」とする。
ルネサスでは、まず、汎用性の高いマイコン製品である「RL78/G13」に対応したWebシミュレータを用意。2月10日から、同マイコン対応のブラウザベースで動作するクラウド版消費電流計算ツールとダウンロード版Webシミュレータを公開。今後、3カ月後をメドに、クラウド版Webシミュレータを公開する他、2017年3月末までに、「RL78/G14」「RL78/G10」「RX100」に対応したWebシミュレータ/消費電流計算ツールを開発、公開していく方針。「将来的には、RZファミリーなども含め、あらゆるスターターキットのWebシミュレータ版を用意し、試しやすい環境を提供したい」(溝口氏)としている。
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