性能面でも、これまで、UXAにのみ適用してきた独自局部発振器(LO)を使った最新位相雑音低減技術を下位モデルにも適用し、位相雑音特性を改善させた。
上位モデルのPXA、UXAでは、主な用途である無線通信分野や宇宙航空/防衛分野で求められているより高い周波数対応、広帯域対応を実施。最上位のUXAでは、最大周波数を従来の26.5GHzから50GHzに高め、解析帯域幅も510MHzから1GHzにオプションを広げた(外部ミキサー使用で1.1THzまで最大周波数を拡張可能)。これまでも最大周波数50GHzを誇ったPXAでも、解析帯域幅を510MHzまで対応させた。
さらにリアルタイム解析、長時間ストリーミング解析時の解析帯域幅も広げ、UXA、PXAともに従来の40MHzから255MHzになった。
新Xシリーズは、従来Xシリーズ向けのアプリケーションソフトウェアに全て対応でき、既存のソフトウェア資産を活用できる。また、新Xシリーズ向けに新しい測定アプリケーションソフトウェアも開発。レーダーシステムなどの信号解析を容易にするパルス信号解析アプリなどが加わっている。
新Xシリーズの価格は、低価格シリーズCXAの3.0GHz対応モデルで約170万円。フラッグシップUXAの50GHz対応モデルで約1430万円となっており、「従来のXシリーズとほぼ同じ価格帯構成になっている」とする。
キーサイトでは今後、スペアナとしては新Xシリーズの拡販を中心に行うが、当面は、従来のXシリーズの販売も継続する方針。また従来のXシリーズユーザーに向けて、従来Xシリーズに新Xシリーズの大きな特徴である大画面マルチタッチ機能を追加する有償アップグレードサービスを展開したり、従来製品を下取りする買い替え提案を実施したりする予定。「発売後、しばらくの間は、従来製品を新Xシリーズ低下の最大50%相当で下取りするキャンペーンを実施する」としている。
2018年売り上げ100億円を目指すキーサイトの戦略
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