キーサイトがスペアナ一新し、全機種タッチ対応に : より使いやすく、より高性能に! (2/2 ページ)
性能面でも、これまで、UXAにのみ適用してきた独自局部発振器(LO)を使った最新位相雑音低減技術を下位モデルにも適用し、位相雑音特性を改善させた。
新Xシリーズと従来Xシリーズとの主な違い。赤字が新たにアップグレードされた部分 (クリックで拡大) 出典:キーサイト・テクノロジー
上位モデルのPXA、UXAでは、主な用途である無線通信分野や宇宙航空/防衛分野で求められているより高い周波数対応、広帯域対応を実施。最上位のUXAでは、最大周波数を従来の26.5GHzから50GHzに高め、解析帯域幅も510MHzから1GHzにオプションを広げた(外部ミキサー使用で1.1THzまで最大周波数を拡張可能)。これまでも最大周波数50GHzを誇ったPXAでも、解析帯域幅を510MHzまで対応させた。
さらにリアルタイム解析、長時間ストリーミング解析時の解析帯域幅も広げ、UXA、PXAともに従来の40MHzから255MHzになった。
新Xシリーズは、従来Xシリーズ向けのアプリケーションソフトウェアに全て対応でき、既存のソフトウェア資産を活用できる。また、新Xシリーズ向けに新しい測定アプリケーションソフトウェアも開発。レーダーシステムなどの信号解析を容易にするパルス信号解析アプリなどが加わっている。
左=対応アプリケーションソフトウェア / 右=パルス解析アプリケーションの概要 (クリックで拡大) 出典:キーサイト・テクノロジー
新Xシリーズの価格は、低価格シリーズCXAの3.0GHz対応モデルで約170万円。フラッグシップUXAの50GHz対応モデルで約1430万円となっており、「従来のXシリーズとほぼ同じ価格帯構成になっている」とする。
キーサイトでは今後、スペアナとしては新Xシリーズの拡販を中心に行うが、当面は、従来のXシリーズの販売も継続する方針。また従来のXシリーズユーザーに向けて、従来Xシリーズに新Xシリーズの大きな特徴である大画面マルチタッチ機能を追加する有償アップグレードサービスを展開したり、従来製品を下取りする買い替え提案を実施したりする予定。「発売後、しばらくの間は、従来製品を新Xシリーズ低下の最大50%相当で下取りするキャンペーンを実施する」としている。
2018年売り上げ100億円を目指すキーサイトの戦略
キーサイト・テクノロジーは2015年10月29日、2016年度のビジネス戦略説明会を東京都内で開催した。リファレンスソリューションと計測コンサルティングビジネスを拡大し、2018年度の売り上げを現在の3倍以上である100億円を目指すとしている。
無線設計の不具合を見つけ出せ、スペアナの進化が視界を広げる
一般家庭に無線機器があふれ返る現代。機器メーカーは、標準規格に準拠した半導体チップやモジュールを利用すれば、比較的容易に無線機能を組み込める。しかし規格の林立や機器の複雑化などで、無線設計の不具合からは簡単に逃れられないのが実情だ。その不具合を確実に捕捉し、原因を追究する道具が必要になる。無線設計に欠かせない測定器であるスペクトラムアナライザが近年、この要求に応えるべく進化を遂げている。
“6 in 1”オシロスコープ、機能や性能を手元でアップグレード可能
テクトロニクスは、スペクトラムアナライザなど、最大で6種類の測定機能を1台の筐体に統合できるミックスド・ドメインオシロスコープ「MDO3000シリーズ」を発表した。オプションの機能やモジュールを追加すれば、測定仕様に応じた機能や性能に手元でアップグレードすることが可能である。
位相雑音測定器が多彩に、最適機は用途で選ぶ
位相雑音を高い精度で手軽に測定できることを売りにした測定器が、最近になって相次いで登場している。それらは、それぞれ特徴的な機能を備えるほか、利害得失がある。従って、「最適」な測定器は測定対象とする信号源や、測定結果をどのように活用したいかによって違う。各測定器の特徴や使いどころを解説する。
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