成長に向けては、これまで同様、「産業/計測」「通信インフラ」「オートモーティブ(自動車)」「ヘルスケア」「ライフスタイル(民生機器)」という5つの注力市場への取り組みを柱にする。
最も売り上げ構成比の大きい産業/計測市場では、Hittite買収で「DCから110GHzまでを網羅する業界随一の広範囲ラインアップになった」(馬渡氏)というRF/マイクロ波製品群を、コンバーターIC、アンプなどリニアIC、センサーといった主力製品群に加え、1つの案件に対しより多くのデバイス採用を獲得する方向で成長を目指す。通信インフラについてもRF/マイクロ波製品群を前面に打ち出す。
国内外で堅調な伸びが続く、自動車向けでは、新たにADI独自の車載オーディオバス技術「A2B(Automotive Audio Bus)」関連のビジネス伸長に期待を寄せる。このほど、米Fordが同技術の採用を決定し「国内自動車メーカーでも全てのメーカーと話をしており、具体名は明かせないが、一部メーカーではA2Bの開発評価が始まっている」とした。
ヘルスケア分野では、高精度コンバーターなどを核に高いシェアを誇る画像/超音波診断装置向けを引き続き伸ばすほか、非侵襲生体モニタリング端末など予防医療用途向け機器をターゲットにした拡販を進める。
ライフスタイルと呼ぶ民生機器向けビジネスは、国内の市場規模の縮小が続いてきたが「底打ち感が出てきた」とし引き続き、注力市場の1つに据える。ただ、デジタル一眼レフやハイレゾリューションオーディオなどハイエンド領域に焦点を絞り、独自性のあるDSP製品やクラスDアンプなどの展開に集中していく方針だ。
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