ただし、Hu氏は、トンネルトランジスタとスピントロニクスに関しては「展望はそれほど明るくない」と予想している。「トンネルトランジスタのオン電流は現在のトランジスタよりも1桁以上低いため、IoT(モノのインターネット)くらいしか用途がない」(同氏)という。
また、スピントロニクスは論理回路の作製に全く新しいツールが必要となるため、現実的な技術とはいえない。Hu氏は、「われわれの設計インフラは非常に高額であるため、全く異なるコンセプトを導入したトランジスタを製造するのは非常に難しい」と述べている。
SynopsysのCEOを務めるAart de Geus氏は、EE Timesによる短いインタビューの中で、半導体業界の年間売上高の年平均成長率(CAGR)が4.4%で、2015年と2016年の成長率は限りなくゼロに近いことを指摘し、「半導体業界は今、新たな設計手法が求められる困難な時代を迎えている。半導体の製造コストの上昇に対応するために半導体企業が合併すると、設計の開始時期が遅れたりEDAの販売が横ばい状態になったりすることは避けられない」と語った。
【翻訳:青山麻由子、滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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