ON Semiconductor(オン・セミコンダクター)は、「TECHNO-FRONTIER 2016(テクノフロンティア 2016)」で、産業機器やIoT(モノのインターネット)機器のモーター駆動について、さまざまなモータードライバソリューションをデモ展示した。
ON Semiconductor(オン・セミコンダクター)は、「TECHNO-FRONTIER 2016(テクノフロンティア 2016)」(2016年4月20〜22日、千葉市・幕張メッセ)で、産業機器やIoT(モノのインターネット)機器に向けたモータードライバICおよびパワー半導体製品について、具体的な応用事例を交えながら、用途に最適なモータードライバソリューションのデモ展示を行った。
産業機器やOA機器向けでは、ロボットアームやハンディークリーナー、電動スライダーなどへの応用事例を紹介した。ロボットアームのモーター制御に対する応用事例では、ステッピングモーター用ドライバIC「LV8731V」や、ブラシDCモータードライバIC「LV8716QA」を搭載した制御ボードを用いて、物体をつかんだりアーム関節を動かしたりするデモ展示を行った。
高効率のステッピングモーターコントローラIC「LC898240」を組み合わせると、負荷変動に応じて駆動電流を最適化できるという。PCに接続してシステム開発を容易に行うことができる評価キットも用意している。
ハンディークリーナーの応用事例は、モーター制御用基板に3相フルブリッジパワーモジュール(IMP)「STK984-1XX」と、センサーレスBLDC(ブラシレスDC)モーター制御IC「LV89XX」を搭載している。これら2つのチップで主要な制御回路を構成し、直径が65mmの小型回路基板に実装した。制御パラメーター調整用のOTPメモリを搭載しており、モーターごとに駆動条件などのパラメーターを設定しておけば、マイコンによる制御が不要になるという。
これらのモジュールやICを搭載したモーター制御用ボードは、30AクラスのBLDCモーターまで駆動することができるため、クリーナー以外にも、実装スペースが限られるファンやポンプなどのモーター駆動用途にも適している。
電動スライダー向けでは、LC898240やステッピングモータープリドライバIC「LV8726TA」を組み合わせたモーター駆動システムを提案した。モーターのBEMF(逆起電力)をモニターし、モーター駆動用の電流をダイナミックに制御することができるという。
この結果、「従来に比べて、駆動電流を4分の1から5分の1に節減することができる。モーター駆動時の騒音は10dB下がる。効率が高いため回路の発熱を抑えることができ、放熱用ファンを削減することも可能となる。効率面からこれまでブラシレスモーターを用いてきた用途などでも、ステッピングモーターを活用することが可能になる」(説明員)と話す。
この他、IoT機器向けモータードライバソリューションとしては、監視カメラ/ネットワークカメラの「ズーム/フォーカス」制御、「パン/チルト」制御、決済端末や複写機の「ペーパーカッター」制御、「ペーパーフィード」制御などの用途に対して、高精度/低消費電力のモーター駆動を可能とするソリューションを提案している。
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