ソニーは2016年6月29日、2016年度(2017年3月期)の経営方針説明会を開催し、2016年4月の熊本地震により業績への影響が生じたものの、2017年度営業利益5000億円以上という中期経営計画の数値目標を変えず、成長を目指す方針を示した。
ソニーは2016年6月29日、2016年度(2017年3月期)の経営方針説明会を開催し、2017年度に営業利益5000億円以上を目指す方針をあらためて打ち出した。
同社は、2015年度から2017年度までの3カ年中期経営計画を実施しており、数値目標として2017年度、営業利益5000億円、株主資本利益率(ROE)10%以上を掲げている。中計1年目だった2015年度は、営業利益2942億円(前年度比2256億円増)を達成し「初年度として良いスタートになった」(社長兼CEOの平井一夫氏)と評価する。特に課題であったモバイル機器事業、テレビ事業で大幅な損益改善ができたことを強調し、「2016年度はコンシューマーエレクトロニクス分野の全ての事業が黒字化する。コンシューマーエレクトロニクスの復活が2017年度営業利益5000億円を下支えすることになる」と語った。
中計2年目となる2016年度については、イメージセンサーの主力生産拠点の1つであるソニーセミコンダクタマニュファクチャリング熊本テクノロジーセンターが被災した影響により、営業利益ベースで1150億円程度のマイナス要因となる見込みだが、2016年度通期の営業利益予想は3000億円と、2015年度比微増を狙う。さらに2017年度営業利益5000億円の目標についても下方修正することなく、堅持したかたちだ。
ただ、事業ごとの2017年度経営数値目標については、外部環境の変化に応じて見直しを実施。スマートフォン需要の成長鈍化の影響を受けるイメージセンサーを主力としたデバイス事業は、2017年度売上高1兆3000億〜1兆5000億円、営業利益率10〜12%としていた当初目標を、売上高1兆〜1兆500億円、営業利益率5〜7%に大きく下方修正。一方で、好調なゲーム&ネットワークサービス事業などの数値目標を上方修正し、全社として1997年以来、2度目となる営業利益5000億円の達成を狙う。
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