AMDは、新開発の高性能x86コア「ZEN」を搭載したプロセッサ製品を2017年より順次、市場に投入していく。次世代のノートPCからサーバ、組み込みシステム向けまで、幅広い用途に向けた製品展開を図る。
AMDは、新開発の高性能x86コア「ZEN」(開発コードネーム)を搭載したプロセッサ製品を2017年より順次、市場に投入していく。次世代コンピューティングシステムの基盤となる技術と位置付ける。今後はノートPCからサーバ、さらには組み込みシステム向けまで幅広い用途に向けて、ZENコア搭載製品を展開していく方針を示した。
AMDでコーポレートバイスプレジデントを務めるScott Aylor氏は、「当社は、革新的なx86アーキテクチャの開発において、長い歴史と多くの実績を持っている。例えば64ビット技術、マルチコア技術、メモリコントローラー技術などの開発で先行してきた。新たに開発したZENは、処理性能や電力効率、拡張性において、バランスのとれたコアアーキテクチャである。消費電力を抑え、クロック当たりの命令実行数(IPC)性能は、前世代のAMDコアに比べて40%も向上した」と話す。
ZENコアを採用したプロセッサのテープアウトは既に完了している。最初に投入するの製品はデスクトップPC向けCPU製品(開発コード名:Summit Ridge)で、2017年第1四半期(1〜3月)より量産出荷に入る。続いて、サーバ向けCPU製品(開発コード名:Naples)を2017年上半期より量産出荷する予定である。さらに、ノートPC向けCPU製品、組み込みシステム向けAPU(Accelerated Processing Unit)、SoC製品などの開発も視野に入れている。
ZENコアは、拡張性に優れている。電池駆動の携帯型機器からデータセンターに設置されるハイエンドのコンピュータ機器向けまで、単一アーキテクチャで対応することができるという。同社は5年前まで、高性能プロセッサを軸に、データセンターで用いるサーバ向けCPU事業を積極的に展開してきた。ところが近年は、処理性能の高い製品開発で競合に後れを取り、同市場における事業が手薄となっていたのも事実だ。「新開発のZENコアCPU製品は、競合製品より高い処理性能を実現した。新製品の市場投入を機に、サーバ市場へも再参入していく」(Aylor氏)ことを明らかにした。
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