Maxim Integrated Products(マキシム・インテグレーテッド・プロダクツ)は、エンベデッドセキュリティ製品について、新たな応用市場の開拓に注力する。特に日本市場ではFAシステムや車載機器向けの事業を強化していく。
Maxim Integrated Products(マキシム・インテグレーテッド・プロダクツ)は、エンベデッドセキュリティ製品について、新たな応用市場の開拓に注力している。車載用途も今後、取り組みを強化する事業領域の1つに挙げる。
Maximはこれまで、医療機器やウェアラブル機器、決済端末機器あるいはさまざまな認証システムの4分野にフォーカスして、セキュアマイクロコントローラーや、セキュア認証用ICなど、エンベデッドセキュリティ製品の事業を展開してきた。Maximのエンベデッドセキュリティ担当エグゼクティブディレクターを務めるScott Jones氏は、「当社におけるエンベデッドセキュリティ事業の歴史は30年にも及び、POS端末やプリンタ、医療機器といった用途向けで成功を収めてきた」と話す。
こうした中でMaximは、既存の主たる用途に加えて、今後は新たな応用市場の開拓にも積極的に取り組むことを決めた。同社が新たに注力していく分野の一例として、「Industry 4.0」や「スマート農業」「資産管理」「スマートシティー」などを挙げた。
同社製品の特長/強みは、基本的に標準の暗号アルゴリズムを採用していること、暗号処理エンジンはハードウェアベースで高速かつ低消費電力であること、サイドチャネル攻撃など破壊的手段による攻撃に対しても強力な保護機能を備えていること、などである。
同社は、セキュリティ関連で顧客や市場からの要求が高い項目として、「偽造の防止」や「医療機器など利用回数制限がある製品の管理や安全性の確保」「ソフトウェアの安全なダウンロード/ブート」「IoT機器のハードウェア認証やデータ保護」などを挙げる。
こうした要求に対して同社は、「双方向認証」や「安全なデータストレージ」「セッション鍵の生成」「セキュアな汎用IO」などを提供する。公開鍵と秘密鍵の選択も可能だという。さらに、セキュリティの専門技術者による顧客サポートや、開発支援ツールなども用意している。
同社は、応用市場の開拓に向けて、いくつかのエンベデッドセキュリティ製品を新たに発表した。その1つはDeepCoverセキュア認証用IC「DS28C36」である。非対称公開鍵はP-256ベースの楕円曲線暗号(ECC)アルゴリズムで、対称秘密鍵はSHA-256で、それぞれサポートされている。また、堅牢なセキュアダウンロード/ブート機能と汎用IO端子の組み合わせにより、悪意のシステム攻撃などを防止する。さらに、既存製品に比べてより多くの鍵を保存することができるという。
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