アドバンテストは、高速ミックスドシグナルICテストなど、主要な分野におけるIoT(モノのインターネット)デバイスに向けたテストソリューションを「SEMICON Japan 2016」で紹介した。
アドバンテストは、「SEMICON Japan 2016」(2016年12月14〜16日、東京ビッグサイト)で、主要な分野におけるIoT(モノのインターネット)デバイスに向けたテストソリューションを紹介した。同社の展示ブースでは、「インダストリー」や「ワイヤレス/ウェアラブル」「スマートハウス」および「コネクテッドカー」という、4つのアプリケーションに焦点を当て、これらのシステムや機器に搭載されるICやモジュール向けの最新テストソリューションを、実機やスライドで紹介した。
その1つが、ミックスドシグナルテスト向けプラットフォーム「V93000」用の新テストソリューション「Wave Scale」である。Wave Scaleは、「Wave Scale RF」と「Wave Scale MX」の2種類のモジュールを用いることで、「LTE-Advanced」など最新のセルラー規格やBluetooth/Wi-Fi向けなど、さまざまな無線規格に対応するRFIC、無線通信用ミックスドシグナルICなどのテストを効率的に行うことができる。将来の5G技術への移行にも対応可能なシステムだという。
Wave Scaleモジュールは、同じデバイス上にある複数のRF規格や回路を同時にテストすることができる。テスト項目の設定切り替えに必要な時間も短縮した。このため、従来に比べてテストのコストや時間を削減することが可能となる。
Wave Scale MXモジュールには、200MHzの帯域幅を持つ任意信号発生器(AWG)が16個、300MHzの帯域幅を持つデジタイザが16個、64個のパラメトリック測定ユニットなどがそれぞれ実装されている。従来品と比べると4倍の測定機能がモジュールに搭載されている。アナログIQベースバンドや高速D-Aコンバーター/A-Dコンバーターなどのテストに適しており、チャネルアグリゲーションなどの変調規格にも対応できる。
Wave Scale RFモジュールは、大量生産で低価格が求められるIoT機器向けRFICから、将来の5Gシステム向けRFICまで、幅広いRFテストに対応できるなど拡張性に優れた製品である。このモジュールには独立して動作する4つのRFサブシステムが実装されている。各サブシステムは送受信を含め、最大8サイトまで使用できることから、1つのモジュールで最大32サイトの測定が可能とした。
もう1つは、IoT機器向け複合デバイスやモジュール製品のファンクション試験を1台で行える小型空冷システム「T2000 Air」である。モジュール式の半導体テスター「T2000」シリーズとして新たにラインアップした。T2000シリーズとは同じソフトウェア環境を利用することができ、大量生産への移行も容易である。
新製品は外形寸法が1093×870mmと小さく、高さも1050mmとコンパクトな設計である。設置面積が小さく単相200Vの電源で動作するため、研究室や多品種少量生産ラインなどにも容易に導入できるという。同社のテストハンドラー「M48xx」シリーズと組み合わせると、テスター接続スペースに収まるサイズだ。冷却水供給装置も不要である。
T2000 Air向けに15種類以上の空冷計測モジュールを用意。この中から、最大6計測モジュール/テストヘッドを搭載することが可能だ。計測モジュールの組み合わせによって、無線通信機能やセンサー機能および電源回路などが集積されたIoTモジュールやSiPのファンクション試験を最大8個まで同時に行うことができる。ブースでは、周囲に設けたWi-FiルーターとIoTモジュールとの通信機能を試験するデモなどを行った。
この他、SoCデバイスの特性評価や量産試験向けのテストハンドラー「M4872」なども紹介した。画像処理技術により被測定デバイスを正確な場所に搬送する「ビジョンアライメント」機能などを新たにサポート。これにより、品種交換時のセッティング時間を従来製品より45%以上削減できるという。パッケージサイズごとのチェンジキットも不要となる。設置面積は従来製品に比べ、最大で40%節減することが可能になった。
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