ルネサス 売上高成長へ「底は打った」 : 2016年業績を発表 (2/2 ページ)
2016年4〜12月の9カ月間のビジネス状況として、自動車向け半導体事業で顧客生涯価値(LTV)ベースで6500億円分の新規商談を獲得したことも公表。獲得金額規模としては過去最高で、2019年に量産開始を予定するLTVベース100億円以上の大型案件が7件以上、控えていることも明らかにした。
自動車向け半導体事業における新規商談獲得状況 (クリックで拡大) 出典:ルネサス エレクトロニクス
2017年度の事業見通しについて呉氏は、「(ルネサスが)対象とする市場の規模は、3.8%成長する見込み」とし、3.8%の市場成長率を上回る売り上げ成長を図る方針。「2017年度から本格的な成長フェーズに入る。2016年10〜12月期の売上高をドルベースでみれば、前年同期比、前四半期比いずれでも、(競合と比較して)非常に高い伸びを示している。(2017年度内に買収することで合意している)Intersil(インターシル)も成長している」と今後の売り上げ成長に向けた自信を示した。
インターシルの買収については、中国などの独禁当局からの承認を得て、米国国防当局からの承認のみを待つ状況とし、「早ければ、2017年2月中にも(買収が)クロージングできる状況」(呉氏)との見方を示した。
なお、2017年度第1四半期(2017年1〜3月)業績は、「自動車向けで旺盛な需要が継続する他、地震影響から開放され、円安傾向にある」(柴田氏)として、売上高1710億円(前年同期比1.9%増)、営業利益233億円(同55億円増)と増収増益を予想した。
ルネサス エレクトロニクスの2017年12月期第1四半期(2017年1〜3月)業績予想 (クリックで拡大) 出典:ルネサス エレクトロニクス
ルネサス呉CEO、2017年度は「売り上げ上昇する」
ルネサス エレクトロニクスの社長兼CEOの呉文精氏は2016年12月、EE Times Japanのインタビューに応じ、2017年度(2018年3月期)は売り上げ上昇を伴う成長を実現するとの意向を示した。Intersilの買収についても「順調に進んでいる」とした。
ルネサスが見据える2020年、車載/汎用事業の行方
ルネサス エレクトロニクスは2016年11月、2016年12月期第2四半期の業績とともに、2020年ごろに向けた車載事業と産業・ブロードベース事業に関する中期成長戦略を発表した。
ルネサス、中期経営数値目標を上方修正
ルネサス エレクトロニクスは2016年11月2日、2016年12月期第2四半期業績とともに中期成長戦略を発表し、今後4〜5年先を目標に売上総利益率50%、営業利益率20%以上を目指す方針を示した。
千載一遇のチャンスだったルネサスのIntersil買収
ルネサス エレクトロニクスは2016年9月13日、米国の半導体メーカーであるIntersil(インターシル)を32億1900万米ドル(約3274億円)で買収すると発表した。同日、ルネサスは都内で記者会見を開き、社長兼CEOの呉文精氏らが登壇。買収の狙いや、見込めるシナジーについて説明した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.