ロームとSemikron(セミクロン)は2017年2月27日、日本におけるSiC(シリコンカーバイト)パワーデバイス、モジュールの販売協力を開始すると発表した。両社の技術を組み合わせることで、市場ニーズに合ったパワーソリューションの提供を可能にするという。
ロームとSemikron(セミクロン)は2017年2月27日、日本におけるSiC(シリコンカーバイト)パワーデバイス、モジュールの販売協力を開始すると発表した。
セミクロンは1951年に設立したプライベートカンパニーで、ドイツのニュルンベルクに本社を置くパワー半導体のメーカーだ。ロームは「セミクロンの先進的なパッケージ技術は、パワーエレクトロニクス市場のスタンダードである」とコメントしている。6種の異なるパッケージを採用した20〜600AクラスのSiCモジュールは、既にエネルギーストレージやEV(電気自動車)充電ステーション向けなどに採用されているという。
ロームも2010年に世界で初めてSiC-MOSFETの量産、日本初のSiC-SBD(ショットキーバリアダイオード)量産を開始している。ローム常務取締役でディスクリート生産本部長兼モジュール生産担当の東克己氏は、2016年9月に行ったEE Times Japanのインタビューに対して「電気自動車にSiC-SBDが採用されるなど、SiCデバイスの外販市場ではおおよそ2割程度の世界シェアを獲得できていると思う」と語っている。
今回の販売協力開始で、両社の技術を組み合わせることにより、市場ニーズに合ったパワーソリューションの提供を可能にする。今後もSiCパワーモジュールのラインアップ拡充し、パワーエレクトロニクス市場の省エネ化、小型化に貢献していくとした。
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