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» 2017年05月15日 11時30分 公開

常識外れの“超ハイブリッドチップ”が支える中国格安スマホ製品分解で探るアジアの新トレンド(16)(2/3 ページ)

[清水洋治(テカナリエ),EE Times Japan]

台湾と中国のチップで構成されている

 図2は、内部基板の主要チップの様子である。台湾MediaTekの「MT6580」チップと「MT6350」チップに加えて以下の5チップが使われていて、計7チップで構成されている。

 1つ目は台湾FocalTechのタッチスクリーン・コントローラーチップ。2つ目は中国FORESEEのマルチチップ・メモリーである。このチップの中に1GBのSDRAMと8GBのフラッシュメモリがパッケージングされている。3つ目が3軸加速度センサー(これも中国製)。4つ目と5つ目が中国Vanchip Technologiesの通信用パワーアンプチップである。

図2:U007の内部は、台湾メーカーと中国メーカーのチップで構成されている(クリックで拡大) 出典:テカナリエレポート

 パッケージだけでチップの国籍を判断すると7分の4が中国製チップという構成になっている(厳密にはFORESEEの内部は台湾製)。

 ACアダプターやリチウムポリマー電池の基板などにも中国チップは活用されている。バッテリープロテクションIC、AC-DCコンバーター、整流ダイオード、ブリッジICなども中国製となっている。搭載しているチップの半数が中国製という構成が、54米ドルという低価格を実現できた一因ではあるだろう。しかし、それだけではない。実は、脅威の技術が備わっているのである。

プラットフォームを構成するチップが2つ!?

 通常スマートフォンは、中核に5つのチップを用いている。1つ目は、プロセッサだ。Androidなどを実行するアプリケーション・プロセッサと通信処理を行うベースバンド・プロセッサを統合したもので、Qualcommの「Snapdragon」やMediaTekの「Helio」、中国HiSiliconの「Kirin」がこれに当たる。

 2つ目が、電源ICである。プロセッサの動作や状況に合わせて電圧をコントロールしたり、電源供給を止めたりする役割を担う。3つ目が、通信用RFトランシーバーで、これは通信可能なTX/RX回路を含む。4つ目は、オーディオIC。CODECなどの機能を備えている。そして5つ目が、Wi-FiやBluetoothなどのローカル通信チップである。

 これら5つがセットとして1つのメーカーから供給される場合、「チップセット」や「プラットフォーム」と呼ばれる。チップセットやプラットフォームが、上記5つのチップで構成されている点は、Qualcommのハイエンド向けでも、他メーカーのローエンド向けでも基本的には変わらない。

 ところが、U007のチップセットのパッケージはたった2つ、MT6580+MT6350だけなのである。

 図2に、MT6580のチップを開封した様子も掲載した。MT6580は、通常は分離しているはずのプロセッサ、通信用RFトランシーバー、ローカル通信チップが1パッケージ化されている。パッケージ内部にはアンテナ用スイッチチップも入っているが、このアンテナ用スイッチチップは、通常はパワーアンプ側にある。

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