Infineon Technologiesは、ドイツ・ニュルンベルクで開催中のパワー半導体の展示会「PCIM Europe 2017」(2017年5月16〜18日)で、耐圧1200VのSiC-MOSFETと、それを搭載したフルSiCモジュールの量産について発表した。SiCだけでなくGaNでも新製品を発表している。
Infineon Technologiesは2017年5月16日(ドイツ時間)、「PCIM Europe 2017」の開催に合わせて、耐圧1200Vのトレンチ型SiC-MOSFET(以下、1200V SiC-MOSFET)を2017年内に量産すると発表した。さらに、SiC-SBD(ショットキーバリアダイオード)と1200V SiC-MOSFETを使ったフルSiCのモジュール3種類も併せて発表。これらのモジュールの量産開始は2018年を予定している。
Infineonは2016年のPCIM Europeで、オン抵抗が45mΩの1200V SiC-MOSFETを展示し、2017年に量産を開始すると発表していた(関連記事:インフィニオン初のSiC MOSFETを披露、量産は2017年)。InfineonはSiCパワー半導体を「CoolSiC」ブランドとして提供していて、耐圧1200V/650V/600VのSBDと、同1200VのJEFTの製品ラインアップがある。これに1200V SiC-MOSFETが加わることになる。
20年以上、SiCパワー半導体を開発してきたInfineonにとって、2017年はSiC製品のラインアップ強化を図る年になりそうだ。
1200V SiC-MOSFETは、TO-247のパッケージを採用した3端子および4端子のディスクリート品として提供される。フルSiCモジュールは、6パックモジュールの「Easy 1B」、ハーフブリッジ構成の「Easy 2B」、62mmパッケージを採用したハーフブリッジ構成のモジュールがある。Easy 1Bは、インバーター出力が2kWなど小出力の用途に、Easy 2Bや62mmパッケージ品は、50kW以上のような大きな出力が必要な用途に向ける。これらの製品は全て、サンプル入手が可能だ。
Infineonは今後、耐圧1700Vや3300VのSiC-MOSFETの開発を進めていく予定だ。InfineonのIndustrial Power Control部門でDivision Presidentを務めるPeter Wawer氏は、SiC-MOSFETの世界市場シェアについて、「いつまでに、という期限は明確に言えないが、30%のシェア獲得を目指している」と話した。
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