メディア
ワイヤレスジャパン2017

LTE/4G活用のV2Xで自動運転をサポートC-V2X/コネクテッドカー(2/2 ページ)

» 2017年05月25日 10時30分 公開
[馬本隆綱EE Times Japan]
前のページへ 1|2       

5Gを待って2020年に間に合うか

テクノロジー統括部長を務める柳橋達也氏

 続いて、ノキアのテクノロジー統括部長を務める柳橋達也氏が、「セルラーV2Xの最新動向とノキアのコネクテッドカーへの取り組み」について述べた。V2Xの進化について柳橋氏は、3つの事例を紹介した。1つはエッジコンピューティングと同報配信技術「eMBMS」によるネットワーク効率の最適化。もう1つは駐車場エリアなどにある車両とのコネクティビティにLTEを拡張した「NB(Narrow Band)-IoT」の活用例。そして、LTE V2Xによる車車間通信や車路間通信の例を挙げた。

V2Xの進化事例、左はエッジコンピューティングと同報配信技術「eMBMS」を用いた例、中央は駐車場エリアなどにおけるNB-IoTの活用例、右はLTE V2Xによる車車間通信や車路間通信の例 (クリックで拡大) 出典:ノキア

 コネクテッドカーのシステム検証について柳橋氏は、「テレコム業界が主体となって、遅くとも2018年末までに検証を終える。その後、自動車業界が2年かけて実証実験を行うことになる。実車に搭載されるまで3〜4年を要する。つまり、LTEで開発をスタートしても、実用化されるのは2020年以降である。5G技術の開発を待っていたら、実用化はさらに遅くなる」と話す。

 柳橋氏は、ノキアが提供するコネクテッドカーソリューションについて、エッジコンピュータを用いた車車間通信や車路間通信について、いくつかの事例を紹介した。例えば、安全や協調運転を支援するV2V、地域特有のローカルマップ配信、分散型AI(人工知能)、交通弱者などの情報を車両にフィードバックするV2P、自動運転車などに対する遠隔制御などである。

V2Xの車車間/車路間通信の事例 (クリックで拡大) 出典:ノキア

 ノキアは、ドイツのContinentalやBosch、中国のChina Mobileなどと共同で実証実験を重ねてきた。これらのトライアルでは、20ミリ秒かそれ以下の遅延時間でエンドツーエンドの通信を実現している。しかも、この遅延時間の大半はエッジ処理に要する時間であり、通信側の遅延についてはほとんど影響がないという。これらとは別に同社は、レンタカー会社の「Hertz」と協力し、各種機能のパーソナライゼーションなど、利用者の利便性を向上させるコネクテッドカーソリューションを開発中であることも明らかにした。

日本でもワンストップソリューションを提供

日本市場での取り組み 出典:ノキア
取締役IoT事業推進担当を務める西原政利氏

 最後に、ノキアの取締役IoT事業推進担当を務める西原政利氏が、「日本市場における取り組み」について紹介した。2017年3月に、日本市場向けの開発プラットフォームとして「Nokia Innovation Platform」(コネクティビティ側)の供給を始めた。スタートアップのためのワンストップソリューションを提供する。2017年下期には、コア側のNokia Innovation Platformの供給も始める予定だ。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

RSSフィード

公式SNS

All material on this site Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
This site contains articles under license from AspenCore LLC.