カネカは、結晶シリコン太陽電池のセル変換効率で、26.63%を実用サイズ(180cm2)で達成したと発表した。
カネカは2017年8月25日、結晶シリコン太陽電池のセル変換効率26.63%を180cm2の実用サイズで達成し、非集光型結晶シリコン太陽電池セルとしての「世界最高変換効率を更新した」と発表した。
同社は今回、ヘテロ接合技術とバックコンタクト技術を組み合わせた結晶シリコン太陽電池(ヘテロ接合バックコンタクト型結晶シリコン太陽電池)の変換効率において、2016年に記録した26.33%を0.3ポイント上回る26.63%を達成した。
ヘテロ接合技術は、物性の異なる半導体材料を接合する技術だ。結晶シリコンとアモルファスシリコンの組み合わせによる欠陥低減や、電気に変換できる光の波長が異なる材料を組み合わせることで、変換効率を向上できる。
一方、バックコンタクト技術は、太陽電池の裏側にのみ電極を作り、電気を取り出す技術。電極を裏面に集約することで、受光面を広くできるため、変換効率を高めることが可能だ。
カネカによると、今回の研究で実現した変換効率26.33%は、同社が2016年に達成した結晶シリコン太陽電池モジュールの24.37%と合わせて、各種太陽電池の変換効率の記録をまとめた「Solar cell efficiency tables (Version 50)」に世界最高値として掲載されたという。
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