Samsung Electronicsが、中国に保有する製造施設に70億米ドルを投資する計画だ。NAND型フラッシュメモリの需要が強いことから、製造能力を増強する。
Samsung ELectronicsは、中国にある製造施設でのNAND型フラッシュメモリの生産を増強するため、今後3年間で70億米ドルを投資する計画だ。NANDフラッシュは、スマートフォンをはじめとするモバイル機器向け需要が好調だ。
この投資計画は、Samsungが中国北部の2つ目のチップ製造施設として、中国の西安に新たに建設した施設に向けたものである。ReutersおよびBloombergが、Samsungからの情報として伝えたところによると、同社は2017年8月28日(韓国時間)、投資総額70億米ドルのうち23億米ドルを承認したという。
市場調査会社のIC Insightsによると、業界全体の2017年の設備投資額は、主にSamsungの積極的な投資によってけん引される形で、前年比で20%増加するという。メモリ分野は、そのような力強い成長の主な原動力となっている。
Samsungの2017年通年の設備投資額は、150億米ドルから220億米ドルになる見込みだという。IC Insightsによると、同社が2017年に220億米ドルを投じた場合、半導体業界全体の設備投資額は854億米ドルに達し、2016年の設備投資額(673億米ドル)を27%も上回ることになる。
中国では、多数の新興企業が新たな製造施設を増強していることから、同国は2018年には、チップ製造装置の世界第2位の市場になるとみられる。
チップ製造装置関連の世界的な業界団体であるSEMIによると、中国全体では、製造施設における設備投資額(建設・設備費を含む)は前年比で54%も増加するという。同設備投資額は2016年には35億米ドルだったが、2017年には54億米ドルになり、2018年にはさらに増加し86億米ドルに達する見込みだ。
Samsungの広報担当者は、西安の製造施設の生産能力についてはコメントを避けた。同社は2014年、中国に初めて製造施設を建設したが、この施設は既にフル稼働している。
2017年第2四半期(4〜6月)における半導体売上高でIntelを抜きトップに立ったSamsung。同四半期におけるNANDフラッシュの売上高シェアは38.3%だった。
一方、現時点では半導体を輸入する手だてしかない中国は、半導体の膨大な需要を満たすため、国内にメモリ産業を構築しようとしている。そうした中、Samsungをはじめとする企業は、中国の半導体業界の成長を見込んで、同国におけるメモリチップ製造の拡大に投資している。
【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】
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