ディスクリート(個別半導体)、汎用ロジック専業メーカーのNexperia(ネクスペリア)は2017年9月5日、都内で事業戦略説明会を開催し、積極的な増産投資を行いながら車載市場を中心にビジネス拡大を図る方針を示した。
2017年2月7日にNXP Semiconductors(以下、NXP)スタンダードプロダクト事業部門から独立したNexperia(ネクスペリア)は2017年9月5日、東京都内で事業に関する記者説明会を開催し、生産能力の増強などを通じ車載向け事業、日本でのビジネス展開を強化していくとの方針を明らかにした。
Nexperiaは、NXPがスタンダードプロダクト事業部門を中国系投資会社2社(Beijing Jianguang Asset Management[JAC Capital]とWise Road Capital LTD[略称:Wise Road Capital])に約27億5000万米ドルで売却する形で2017年2月7日に誕生した企業。取り扱い製品は、ディスクリート(個別半導体)、汎用(はんよう)ロジック、MOSFETで、NXPスタンダードプロダクト事業部門時代の製品群を踏襲。経営体制についても「NXP事業部門時代と変わらない」(MOSディスクリートビジネスグループ ゼネラルマネージャJulian Humphreys氏)と強調した。
生産設備については、前工程拠点として英国マンチェスター工場とドイツ・ハンブルグ工場、後工程拠点として中国広東省の東莞工場、マレーシア・セレンバン工場、フィリピン・カブヤオ工場と、同事業部門の主力工場だった計5工場を継承。一部製造はNXPに委託するものの、汎用ロジック、ディスクリート専業の垂直統合型半導体メーカーとなった。
2016年実績の売上高規模は11億米ドル以上で、世界汎用ロジック/ディスクリート製品市場で「シェア12%超」(同社)とする。また、「生産数量は、年間850〜900億個で、業界トップ」(Humphreys氏)と強調し、自社工場を所有した豊富な生産能力を企業の特長の1つとして挙げる。
NXPから独立したことに伴い「スタンダードプロダクト事業に集中して、製品開発、設備投資が行えるようになった」(Humphreys氏)とし、実際、2017年の投資額は2016年から大幅に増やし2014年実績の2.5倍に相当する投資を行っているという。投資の大半は生産能力増強に充て「2016年までは市場成長に応じた能力増強だったが、2017年は市場の成長を上回る成長を実現するための投資を行っている」(Humphreys氏)と説明する。
現状、実施している能力増強策は、前工程で6インチウエハー対応ラインの8インチ対応化を進め、後工程では東莞工場で18年稼働を目指し新製造棟建設を進めている。8インチウエハーの生産比率は現状35%程度だが「今後数年かけて、投資を行い、早ければ3年後にも8インチに完全移行したい」(Humphreys氏)と継続的に投資を行っていく。
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