こうした豊富な自前生産体制を背景に「効率性を追求し、勝つ。市場成長を上回る成長を実現する」(バイポーラディスクリートビジネスグループ ゼネラルマネージャAchim Kempe氏)との方針を掲げる。特に、電子化、電動化が進みディスクリート製品の需要が拡大する車載市場に対するビジネスでの成長を目指す。車載市場に対しては、競合他社もビジネス強化を行っているが、Nexperiaは品ぞろえ、品質、実績、安定した供給体制を打ち出し、差異化を図る。
現在、Nexperiaの製品数は1万種以上で「ほとんど全ての製品で(車載半導体信頼性試験規格である)AEC-Q100、AEC-Q101をクリアしている」(Humphreys氏)という。さらに「(NXPの前身である)Philips時代から数え、Nexperiaの事業は60年以上の歴史があり、車載市場でも多くの実績を持つ。地元欧州の自動車メーカーを中心に、品質標準を超えた高い品質が評価されている。小型化、高性能化、高効率化といった要求に応える先端製品の開発を続け、成長著しい車載市場でシェア向上を実現する」(Humphreys氏)と語る。
車載ビジネスの拡大を図る上で日本の車載市場攻略が必須となるが、現状は競合の後じんを拝し、他の地域に比べ日本の車載市場で獲得できているシェアは極めて低い。苦戦の原因についてHumphreys氏は、「日本で必要とされる製品を作ってこなかったから」と分析し、その上で「Nexperiaになり、この流れは変わる。ディスクリート、ロジック、MOSFETに集中する専業メーカーとして、日本市場向けの製品を開発し提供していく」と強調した。
さらにHumphreys氏は「現在の地域別ビジネス成長率を見ると、日本が最も伸びている」と、日本市場でのビジネスが軌道に乗りつつあることを示唆。日本支社長を務める国吉和哉氏も「Nexperiaとしてのビジネスに、手応えを感じている」と加えた。
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