では、Vickrey-Clarke-Groves(VCG)メカニズムを実施例で紹介します。
具体例として、9月23日(土)と24日(日)の2日間、江端を自由に使える権利(江端をレンタルする権利)の入札を例にして説明を試みます。
この例では、
さて、この条件でオークションをしたら、落札内容は一瞬で決まります。
江端は、合計金額が最大値になるように、組み合わせを考えますので、23日は後輩を手伝い、24日は実家に帰省することで、2.7万円で落札することになります(以下、{9/23,9/24} = {"会社の後輩", "地元の姉"} と記載します)。それ以外に高額になる組み合わせがないからです。
しかし、希望価格に対して、希望価格で落札しているので、誰もニンマリしてもうかった、という気持ちになれません。これでは、#1の「個人合理性」すら成りたっていない状態です。
では、次のような状態ではどうでしょうか。
この図では、上が下心の入札値で、下に本心の入札値が記載されています。この結果では、町内会長が落札します({9/23,9/24} = {"町内会長", "町内会長"})。が、これでも、町内会長は1000円を損した気分になった上に、誰も幸せになっていません。
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