では、ここでVCGメカニズムを発動してみましょう。
さて、上記の説明では、何が何やら分からないと思いますので、実例で説明します。
VCGアルゴリズムの仕組みでは、落札者を確定した後、その落札価格が適正な価格に修正されます。
ケース1のようにみんなが真の評価値で入札した場合,割当は{9/23, 9/24} = {"会社の後輩", "地元の姉"}で2.7万円になります.
ここで"会社の後輩"の落札額は、以下のように修正されます。
(A)"会社の後輩"以外の落札者の評価値の和は"地元の姉"の1.2万円になるはずで、
(B)もし"会社の後輩"がいないとした場合の落札は、{9/23, 9/24} = {"町内会長", "町内会長"}で評価値の和は2.5万円となるはずです。
以上より、"会社の後輩"の落札額は、2.5万円-1.2万円=1.3万円に下方修正されます。
次に、"地元の姉"の落札額は、以下のように修正されます。
(A)"地元の姉"以外の落札者の評価値の和は"会社の後輩"の1.5万円になるはずで、
(B)もし"地元の姉"がいないとした場合の落札は、{9/23, 9/24} = {"町内会長", "町内会長"}、または{9/23, 9/24} = {"会社の後輩, "嫁さん"}で、いずれも評価値の和は2.5万円となるはずです。
以上より、"地元の姉"の落札額は、2.5万円−1.5万円=1.0万円に下方修正されます。
この下方修正によって、"会社の後輩"も"地元の姉"も0.2万円ずつ低い評価で江端をレンタルできたことになり、全体としては0.4万円もうかったことになります。
では、一体VCGメカニズムは何をやっているのか?
ヤフオク(二位価格方式)をやっているのです。
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